氷平線 (文春文庫 さ 56-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (2012年4月10日発売)
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本棚登録 : 892
感想 : 103
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北海道の凍てつく寒村を舞台とした、6編からなる短編集。

作者の作品を漏れなく読もうと思い手に取ったのだが、デビュー作品集とは思えないほど、すでに独自のカラーが確立していて驚いた。
逃げ場のないどんよりとした灰色の空と海を背景に、あきらめをまとった主人公たちが無表情に生きている。淡々と描かれる底なしの哀しさと、熱を帯びた生々しい息づかいとが交錯して、どの作品も人物像が立体的に浮かび上がる。見事だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: さ行
感想投稿日 : 2016年3月25日
読了日 : 2016年3月25日
本棚登録日 : 2016年3月14日

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