北海道の凍てつく寒村を舞台とした、6編からなる短編集。
作者の作品を漏れなく読もうと思い手に取ったのだが、デビュー作品集とは思えないほど、すでに独自のカラーが確立していて驚いた。
逃げ場のないどんよりとした灰色の空と海を背景に、あきらめをまとった主人公たちが無表情に生きている。淡々と描かれる底なしの哀しさと、熱を帯びた生々しい息づかいとが交錯して、どの作品も人物像が立体的に浮かび上がる。見事だ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
さ行
- 感想投稿日 : 2016年3月25日
- 読了日 : 2016年3月25日
- 本棚登録日 : 2016年3月14日
みんなの感想をみる