火星に住むつもりかい?

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本棚登録 : 3079
レビュー : 450
著者 :
小春さん あ行   読み終わった 

平和警察による危険人物の取り締まりと称し、情報操作、密告、拷問、公開処刑が公然と行われるようになった日本。そこに謎の正義の味方が出現し、弱者を救っていくのだが…。

序盤の拷問や、サディスティックな描写、悪意には気持ちがずんと重くなる。徹底的な悪を描かないと、そのあとの正義を正当化できないから、仕方がないのだろうが、寝る前に読むと寝付きが悪くなった。

市民と警察の視点が複数入り交じって語られるうち、主要人物が絞られてきて、徐々に全体図が見えるようになる。
ときどき前のほうのページを見直して、伏線を確認し直しながら読んでいくが、ミスリードされてさらに足元をすくわれる。いつもながら、よく練られたしかけで楽しませてくれた。

仮想の日本ではあるけれど、監視カメラやネットでの情報操作、そして危険なものをいち早く排除することで平和を守ろうとする人々の姿は、決して現実とかけ離れたものではない。
悪者をでっち上げ、吊し上げることで捌け口を作り、恐怖政治を行う。そんな日本にはならないでほしいと、切に願う。

レビュー投稿日
2016年5月2日
読了日
2016年5月2日
本棚登録日
2016年4月29日
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