「長生き」が地球を滅ぼす ― 現代人の時間とエネルギー ―

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  • 阪急コミュニケーションズ (2006年1月20日発売)
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代謝速度から時間を考えるのがおもしろい。体が小さいほど動きが速いが寿命が短く、大きいほど動きが遅いが寿命が長い。子供と大人の時間感覚も代謝速度で説明でき、昆虫の成虫の命も代謝時間で考えれば短くはないという。

動物の時間は体重の1/4乗に比例し、体重あたりの代謝量は、体重の1/4乗に反比例する。時間と比代謝率は反比例するので、速度と比代謝率は正比例する。細胞のサイズは動物のサイズによらないため、細胞単位でも大きい動物では代謝量が小さい。

成人男子の標準代謝量は73ワット、サラリーマンの食事のエネルギー量は121ワット。日本人ひとり当たりの外部エネルギーの消費量は5450ワット(2002年)。これを恒温動物の体重に逆算すると、ゾウなみになる。

ヒトサイズの動物の寿命は26歳。縄文時代から室町時代までは、15歳以上の平均寿命で30歳ほど、江戸時代で45歳。明治から戦前までの幼児を含む寿命は43〜47歳。縄文中期の日本の人口は50万人ほどだった。人口密度は1.3人/km2で、ヒトサイズの哺乳類の密度とほぼ一致していた。

変温動物は摂食エネルギーの30%が肉になるが、恒温動物では2.5%。

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感想投稿日 : 2016年9月7日
読了日 : 2016年9月7日
本棚登録日 : 2016年9月7日

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