いつの日も泉は湧いている

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本棚登録 : 45
レビュー : 7
著者 :
koharakazumaさん 小説   読み終わった 

政治闘争していた頃の高校生活を振り返るお話で、鴻上さんの『僕たちの好きだった革命』を思い起こさせるが、鴻上さんは盛田さんの4つ年下(鴻上さんが1958年生まれ、盛田さんは1954年生まれ)。この時期のこの年齢差は大きい。ちなみに村上春樹が1949年生まれ、村上龍が1952年生まれ。
1969年の安保闘争のとき、盛田さんは高校入学したばかりだったのに対し、村上春樹は大学生で、鴻上さんは小学生。主人公の年齢設定は作者本人と同じで、名前まで守田君なんだから、いろいろなできごとはともかく、当時の学校の雰囲気に関しては、盛田さん自身の記憶に基づいていると考えていいだろう。
鴻上さんの小説が、高校で政治活動を行う主人公をかなり引いた目線で描き、すでに冷めてしまった高校生と、熱い時代から「復活した」高校生のギャップを中心に描いているのに対し、こちらはどっぷり政治の時代の主人公の主観にはまっている。
現在との対比を明確にした鴻上さんの小説のほうが、私たちから見て、当時の高校生への「イタさ」「あこがれ」のないまぜになった感覚がよりはっきり伝わってくるかもしれないが、こちらのほうが、当時の高校生の心情と、その後の挫折感などが伝わってくる。
今の高校との雰囲気があまりに違うことに(すでに知識としては知っていても)、唖然とさせられつつ、もう少しバランスのよいかたちで、政治参加ができないのかなということは、再び強く感じさせられた。

レビュー投稿日
2013年12月6日
読了日
2013年12月6日
本棚登録日
2013年12月6日
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