確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力

  • KADOKAWA/角川書店 (2016年6月2日発売)
4.16
  • (209)
  • (221)
  • (74)
  • (16)
  • (7)
本棚登録 : 4147
感想 : 187
3

■確率思考のマーケティング

■序章
この人は自信満々なんだな。書き口はあまり好きでない。まあ本だからそこは無視すればいいか。
数学マーケティングを学ぶことを目的としてて、ビジネスは確率で決まっていて、その確立はある程度のところまではコントロール出来るってことなんだね。
マーケター及びストラジテストとアナリスト。おれにアナリストはたぶん向いてない。けどそれも知らないといけないというスタンスで読んでいこう。

■第1章
•目に見えるものは現象に過ぎず、なぜなぜなぜと本質を捉えること。そしてそれはほとんどシンプルだということ。
└そういうことを考える時間を確保することは大事なんだろうな。それを分析というんだろうな。まわりからみるとサボってるように見えるかもだけど。
•で、それは消費者のプレファンス=相対的な好意度(ブランド、価格、製品パフォーマンス)ということ。すべてのものは消費者に縛られていると。いまやってるネット広告もそうなのかなあ。広告ってなんのためのものなのかとか考えてみてもいいのかもな。そうすると楽しさがわかったりして。

■第2章
•ビジネスを拡大するには、プレファンスと認知と配荷だと。なるほどしっくりくる。広告はそのための手段だもんな。これはマーケティングの本だった。
配荷とは、市場の何%の消費者がその商品を買おうと思えば物理的に買える状態にあるかという指標だそう。
•そのバランスも実は難しいということなんだろうな。認知と配荷を試みた結果、プレファンスが減少するということもありえるから。
•認知と第一ブランド想起率の意味合いの違い
•caseとしてUSJのハリーポッターあげてたが、本の出版とインバウンド需要の安倍総理の来阪があったことをあげていて、あまりcaseとしてなりたってないんじゃないか笑
•消費者のプレファンスを伸ばす戦略の話。MとKの式があって、Mは投票数のようなもの。それを伸ばすやり方は、水平と垂直がある。投票する人を増やすか、投票する回数を増やすか。
•で、caseとして、USJの話。これはわかりやすかった。入場料金とかの兼ね合いが気になってきたけど。シンプルにMを伸ばすためには。を考え抜いた結果なんだね。

■第3章
•マーケティングは出来るだけ確率をあげないといけない。
確かに結局のところはやってみなきゃわからないのかもしれないが、実行する上で、その確率は担保できないとな。ただの実験じゃあるまいし、ビジネスなのだし。
•認知率×配下率×過去購入率×エポークトセット率×年間購入率
→目的)総世帯数×1年間に買う人×平均購入回数×平均購入額=年間売上
•差別化などはあくまでMを増やすためのものだと肝に命じること。
自己満になりがちだもんな、尖ることって。
•製品パフォーマンスはリピートかトライアルかによって変わる。なるほどね。ぼったくりバーはトライアルにフォーカスした結果だわな。
•「マーケターの仕事は値上げしながらもMを増やすこと」と断言してる筆者に感心した。
プレミアムプライシングは、まわりまわって経済を良くするという背景のもとね。
牛丼屋とかまさにその逆だよなあ。

■第4章
•ここで急に実務的なビジネス論が展開されてきた。リーダー論とか。
•左には冷静さ。右手には情熱。とこういうのは言われてきた。言われてきているということは、それはそうなんだろうな。その方法を知りたいとか思うけど、否応なくそういうものなのかもな。
で、それをするしないを選ぶのは自分。そういう環境になったときに、するしないを一時的な気分で決めるのではなく、逃げずに決めていくということなのかもな。
そういう環境にないときは、それはそれで良いのかもしれないとも思う。
一時的な気分でそれを取りに行っても、本来の意志と反するなら、きっと自分自身では納得いかなくなって、トータルでみてうまくいかないということになる。
と、最近は思っている。

■第5章
•この章から7章までは今西さんによる市場調査の話。一度読んだだけでは理解できない。
そういうものなのかと捉えておく

■第6章
•需要予測の方法と実践について。これはテキストで読んでもある程度の理解までしかいかないな。こういういうのは自分で体験しないとわからないと思う。
けど、ハリーポッターの例を読み込むことで、理解までは促進できる。知っているというところまではもっていける。
•具体的なテストの例もあるので、じっくりと読み込むのも良い

■第7章
•消費者データについて。気に留めておくべき大事なのは3つ。代表性があるか。必ず誤差を含むということ。聞き方や状況によってバイアスがかかること。
•未来にかかわるデータは絶対値はあやしいが、相対値はわりと正しい。好き嫌いの順番は変わらないから。
けど、注意も必要。値段による影響はどうか。選択肢が同等に比較できるか。票割れを起こさないか。
•まとめをしっかり読んで理解するところからだな。言ってることはわかるという状態

■第8章
•組織論。これまでの論を実行するための組織について説明している。
こういうところまで説明するのは、きっと実務経験者だからできたことなんだろうな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス
感想投稿日 : 2017年2月8日
読了日 : 2017年2月8日
本棚登録日 : 2017年2月8日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする