生きる覚悟 角川SSC新書 (角川SSC新書 138)

著者 :
  • 角川マガジンズ(角川グループパブリッシング) (2011年11月10日発売)
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私は、中国で仕事をしています。留学を含めたら、もう5年になります。ただ、私の働き方は一般的てはありません。留学をして、現地で仕事を探しましたので、海外にいる駐在員(日本の本社から派遣されてくる人)とは、違います。

なんで、現地で仕事をしているかというと、自分の生まれ故郷である東京では仕事をしたくなかったからです(ただ、大学を卒業して、2年間東京で仕事をしてました)。

理由は、たくさんありますが、一つの理由は、毎日の通勤列車の異様な静けさに、耐えられないなと感じたからです。

この本の副題である「流されて生きるな!」は、たぶん、多くの日本人にとっては、無理だと私は思います。私も思いっきり流されてきたので、よくわかります。

小中学校でのイジメが話題が毎年のように話題になりますが、職場では、もっと陰湿なイジメが横行していることは、仕事をしている方だったら、経験あるかもしれません。みな流されてイジメをしているのです。日本で起こるイジメのほとんどが、原因なしの、なんとなくイジメている、、、つまり、みな流されてイジメをしているのです。だから、タチが悪い。。。

1年に2回ぐらい、東京に帰りますが、毎回思うことは、「どんどん便利な社会になっている」ことです。物凄い効率の良い社会になっていると思います。

上田氏は言います。

「すべての行為の効率を上げることは、一見便利に見えるが、それは大切なものを取り落としてしまうのではないかと感じたのです」

その通り!だと私は思います。しかし、効率の悪い社会に、戻るわけないですし、これから、ますます、効率を追求するはずです。私なんかは、ニートや引きこもりの増加は、効率の追求から現象として起きているのではないかと思います。減ることはなく、これから、どんどん社会的弱者が量産されていくはずです。

※ちなみに、私はニートや引きこもりに偏見はありません。誰がなってもおかしくないと思っています。

上田氏は続けます。

「つまり効率化・合理化を突き詰めた状態は、人間の身体性や共同性を劣化させてしまうのではないか」

そうだ!と私は思います。上田氏の意見に、そうだ!そうだ!と思う人は、もの凄く日本では生きにくいですし、仕事するのも難しいと思います。そして、日本社会が、これから、もっと効率を追求していくことに、絶望しているかもしれません。

確かに「覚悟」は必要です。私は、まだ、その「覚悟」を持っていませんが、持ちたいとは、思います。それは、効率化、合理化を追求しない生き方です。言うのは簡単ですが、この社会では、至難の技です。間違いなく、変わり者扱いです。もう選んでしまったんだから、あとは、やるしかないです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年6月6日
読了日 : 2017年6月6日
本棚登録日 : 2017年6月6日

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