うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった (光文社新書)

著者 :
  • 光文社 (2017年7月19日発売)
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自分は30歳代半ばですが、明らかに20代と比べて疲れやすくなっています。
その理由の一つが、本書を読んで、氷解しました。

「自律神経も筋肉と同じように発揮できるパワーの上限は決まっている。
そして、年齢と共に低下していく」

残酷なことです。
自律神経のパワーは、年齢と共に落ちていく。。。
上がることはなく、下がり方を小さくすることはできる。。。

自律神経のパワーは、20代の比べてれば30代は2割ほど落ちます。
40代になれば半分ほどになり、50代になれば40%ほどになります。

これは、筋肉の落ち方よりも高い。
こういう数字を見るだけでも、客観的に、
今の疲れがわかります(ちょっと気が楽になりました)。

つまり、20代と同じ疲れなら、
30代では1.26倍(約30%増し)→10代比較で1.55倍
40代では1.87倍(約90%増し)→ 2.3倍
50代では2.6倍(約270%増し)→ 3.2倍
ということになります。

通りで、以前よりも疲れるわけです。
自律神経のパワーが年齢と共に落ちるからです。
つまり、カラダのあらゆる器官の能力が年齢と共に落ちるわけです。
客観的な数字で把握すると、かなり納得できました。

30代の自分なら、何かやっても、
20代の1.3倍疲れやすい。

ということは、
①やることを、以前よりも少なくする(重要なことを優先してやる)。
②それか知恵と知識を使い効率化をはかり7割ぐらいの力で、できるようにする。
この方法が、合理的な妥当策かなと、、、(とは、言っても、そうは言ってられませんが、、、)

一番いけないのは、無理をすることでしょう。
疲れは、個人のやる気、云々で、どうすることもできません。
自律神経というのは、カラダの全てのシステムをつかさどる総体です。

10代にも、20代にも、もう絶対戻ることはできません。
疲労基準を、過去に戻すことはできません。
出来ることは、2点です。

①脳に負担をかけ過ぎない
②休む

これ、今の、日本社会で本当に可能でしょうか?
頑張ることを当たり前で、成果を出すのが、
必須の社会になっていますが、その代償は、確実に脳疲労です。
つまり、自律神経の活動量の限界を超えて、フルに頑張っている状態が、
恒常化しています。

すみません、脳疲労が半端ないので、
しばらく休みますと言えば、みんな、脳疲労だから、
我慢しろ、で終わりです。
というか、言った時点で終了でしょう。

現実的には、仕事の効率化は、
徹底的に考えて、実行することが得策でしょうけど、
それには、周囲とのコンセンサスが必須になると思います。
また、組織のトップが、率先して、脳疲労を軽減する各種対策を、
構じる必要があるでしょう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年1月18日
読了日 : 2019年1月18日
本棚登録日 : 2019年1月18日

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