分量もさることながら、話の面白さに惹きこまれ、一気に読み終わってしまいました。
トトは、祖父の大魔法使いヨーゼフから、この国を根底から覆すような使命を与えられます。
臆病で泣き虫で、でもまっすぐで素直なトトは怖れながらも、その使命に立ち向かう決心をするのでした。
魔術師が生まれる秘密。
それは、500年という王国の歴史が培った魔法使いの専横へと繋がり、それを許容する芽をもたない人たちを生み続ける。既得権益を守ろうとする魔術師たちが、現代の政治家と重なります。
そういう風刺が、鈍感なわたしにも感じられるくらいあからさまなので少し残念ではありますが、だからと言ってそのことですべてがなくなるわけではない。
トトは仲間たちの力を借りて、使命を成し遂げます。
ひとりでは成し遂げられないことも、仲間たちと力を合わせることで成し遂げられること。
使命を達成したからといって、明日からすべてが変わるなんてことはありえない。
そういう正しい物語でした。
わかりやすくて最後は希望のある物語は好きです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
絵本・児童書
- 感想投稿日 : 2020年7月20日
- 読了日 : 2020年7月20日
- 本棚登録日 : 2020年7月20日
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