一朝の夢

3.62
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本棚登録 : 116
レビュー : 24
著者 :
永遠ニ馨ルさん 小説   読み終わった 

知人に薦められて読んだ、初梶よう子さん作品。

うだつの上がらない朝顔好きの(閑職)同心が、試行錯誤を繰り返してようやく夢のような幻の黄色い朝顔を咲かせるだけの話かと思いきや、いや、朝顔好きの同心が主人公には変わりないし結局咲かせることができるのだけれども。

(日本人ならわりと知名度の高いであろう)「桜田門外の変」の前後譚だった。
史実にミステリー要素をからめて、なかなか読みごたえのある作品だと思いました。まぁ、でもいくら史実とはいえ、人が血を流しすぎるお話はあまり好きではないし、最後はなんだか駆け足が過ぎるなぁ、と感じたので☆は3つ。

江戸時代末期。
ひょろりと背だけが高く、しかし外見に反して心根はとてもやさしい中根興三郎は、名簿作成係の閑職に追いやられているのに、「暇なほうが朝顔の世話ができる」と不満もない。(むしろ喜んでいる?)30歳を超えた今も結婚の気配はなく、爺やには「坊ちゃん」と呼ばれてことあるごとにお説教されてはそのひょろ長い体を小さく縮めてしまう。
自信はないけれど、たぶん自分を卑下しているだけ。
流れに逆らうことはないけれど、物事の本質をすっと見抜ける目を持っていて、折れることがない。まるで柳のような人だと思う。
そんな気性の主人公は好ましい。

エピローグは、以前読んだ朝井まかてさんの『先生のお庭番』と同じようにも思えますが、主人公が失踪した後のエピローグだからか、感動はこちらの方が薄かったです。

レビュー投稿日
2017年1月30日
読了日
2017年1月29日
本棚登録日
2017年1月12日
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