連載当時、スピリッツで読んでいたのだけど途中で読むのをやめていた。それ以来で単行本で通して読むと、主人公がの赤木軍馬が自分本位な嫌な人物で、それなのに周囲の人々は軍馬に都合よく、好意的に接しておりなんだそれ、と腹が立ち、やっぱり読むのをやめようかと思った。しかしそれでも読んでいくと、次第に軍馬のエネルギッシュなところや、自分本位ぶりそのものにすら魅力を感じて、どんどん好きになった。出てくる女がみんな軍馬に夢中になるのも仕方がない。レースもとても面白くて、軍馬のお父さんの人生を通して戦後史を見るような感じも壮大だ。軍馬の兄は、お父さんの資産を引き継いでいるだけなのに偉そうにしすぎだし、陰ながら出資していたユキが泣ける。軍馬はユキと結婚してあげてほしかった。山口音也がひねくれすぎて可哀想。クライマックスに向かってどんどんテンションが上がる一方で、そのまま最後まで走り抜ける。すさまじく面白かった。軍馬がいつの間にかテクニシャンになっていて、いつの間にか世界的なドライバーになっているのがなぜなのか、あんまり腑に落ちる説明はないのだけど、それでも最後の最後までめちゃくちゃ面白くて読んでよかった。連載終了から10年後に開始された続編も楽しみだ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
漫画
- 感想投稿日 : 2021年1月14日
- 読了日 : 2021年1月14日
- 本棚登録日 : 2021年1月14日
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