小説かどうかということが話題となっている。確かに起承転結や時系列的なドラマ展開などは特になく、作者の身辺の現在形の出来事とそれに関連する過去の出来事の回想によって思いが綴られている。それを考えると一体小説とはなんなのかという問いが生じる。なんなのだろう?
それより気になるのは作者は知人であり、僕自身が登場人物の一人でもあり、その立場で読んでいたのだが、全く枡野浩一さんのことを知らない人が読んだらどのように受け取るのだろう。とても気になった。
枡野さんはずっと会えない息子さんのことを考えていて、この本を読むとより僕も会えない娘の事が一層気になってしまう。
最終章の、中村うさぎさんの枡野さんへの質問の回答が素晴らしかった。人と人が分かり合わないのは当たり前じゃないかと思っていたのだが、その先にあるものを言葉にしていて本当に驚いた。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2016年7月19日
- 読了日 : 2016年7月19日
- 本棚登録日 : 2016年7月19日
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