人間失格 (集英社文庫)

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本棚登録 : 6267
レビュー : 853
著者 :
コジコジさん 文学   読み終わった 

カール・マルクス曰く「一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」。『人間失格』は度々鬱本の代表格として挙げられるが、改めて読了すると『人間失格』は喜劇であると思う。

主人公が道化と卑下し母性に押し流される裏側に強すぎる自己愛を感じさせ、常に責任転嫁を正当化し、自己陶酔する様が文章から滲み出る。そこには太宰治自身が抱える脆さや繊細さが文体に反映される。第一の手記までが悲劇とすれば、作中で堀木との喜劇悲劇ゲームが興じる如く、悲劇過ぎる悲劇は転じて喜劇になるのであろう。

太宰は脱稿直後に入水自殺を遂げたが、ひとつの文学作品として捉えると『斜陽』は悲劇だが『人間失格』は純文学的喜劇作品なのである。

レビュー投稿日
2017年4月13日
読了日
2017年4月13日
本棚登録日
2017年3月16日
3
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