海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

3.63
  • (1987)
  • (2509)
  • (4287)
  • (449)
  • (99)
本棚登録 : 22486
レビュー : 1534
著者 :
コジコジさん 文学   読み終わった 

様々な古典文学を抽象化しエッセンスを複雑に混交させ具体化的物語へ昇華する、村上春樹氏の凄さが作品からは伝わってくる。が、読み終えてもこの物語が一体何であったかの総括は難しい。村上春樹氏の他作品と比べてより現代小説的であり、所々差し込まれる残酷的であり肉感的であり直接的な描写が不思議な感覚を与える。カフカ少年の新たな旅立ちを感じさせる終わり方も特徴的であろう。本作品はカフカ少年を軸とした並行世界のようでありながら、ひょっとすると全てカフカ少年の幻想もしくは可能性であった世界なのかもしれない。最終的には各自の喪失を持って大人へ脱皮したカフカ少年に収斂し現実社会へ復帰する形で幕を閉じる。

但し本作品は現実と非現実との区切りが比較的はっきりかつ唐突なところがあり、村上作品の持つ浮遊感みたいなものは少なめであったように感じる。

レビュー投稿日
2017年4月18日
読了日
2017年4月18日
本棚登録日
2017年4月3日
4
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『海辺のカフカ (下) (新潮文庫)』のレビューをもっとみる

『海辺のカフカ (下) (新潮文庫)』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

いいね!してくれた人

ツイートする