1Q84 BOOK3〈10月‐12月〉後編 (新潮文庫)

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本棚登録 : 6563
レビュー : 617
著者 :
コジコジさん 文学   読み終わった 

青豆が数時間掛けて執拗にストレッチする姿があるが作者自身を投影した描写であろう。丁寧に言葉を選別し厳密に定義を吟味し表現の曖昧さを排除していく。特に会話のシーンでその傾向が顕著だ。推察と戻換そして反芻は読み手の想像力を限定的にさせるようで不思議な拡がりと浮遊感を生み出している。

『1Q84』は結局青豆と天吾の純愛物語であったわけだが、そこにあるのはトラウマとの対峙であり不可逆の並行世界であり処女受胎を模した再生であり、それら諸々が二人の純度を増しているように思う。特にNHK集金人の亡霊(?)は現実世界で二人を結び付ける幻想の重要要素であった。こういう一見無関係な要素の使い方が村上春樹氏は抜群に巧い。村上春樹氏が描く喪失の物語はフカエリと牛河が担ったが、それを踏み台にした誕生の物語も描かれる。

レビュー投稿日
2018年1月9日
読了日
2018年1月9日
本棚登録日
2018年1月6日
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