昨日までの世界(上) 文明の源流と人類の未来 (日経ビジネス人文庫)

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本棚登録 : 236
レビュー : 13
制作 : 倉骨 彰 
コジコジさん ノンフィクション   読み終わった 

我々は1万1千年をかけて現代文明を醸成してきたが、「現代文明」を1万1千年前と変わらず過ごす人々がおり我々の「現代文明」に遭遇したとすれば何を感じるか、非常に興味深い考察がこの本に書かれている。「もしタイムマシンがあったら」というSF古典が実際にニューギニア高地で起こり、そこから伝統的社会と国家社会の比較が可能になったのは事実は小説よりも奇なり。

『銃・病原菌・鉄』同様、ジャレド氏の洞察は極めて優れたものだが、ニューギニア高地を基にした小規模伝統的社会と国家社会の対比は千載一遇の(そして二度とない)機会であったことが分かる。上巻は領土権、戦争含め調停制度、子どもや高齢者の扱いについて分析しており、国家社会の「現代文明」に生きる我々からすると特に嬰児殺しや高齢者遺棄など残酷に思うがそれは生存と秩序を実利で兼ね合わせた結果だということが理解できる。

国家社会の「現代文明」と伝統的社会の「現代文明」は異なれど、冒頭の空港の風景は人間の環境への適応性を感じさせる一幕である。

レビュー投稿日
2018年5月30日
読了日
2018年5月30日
本棚登録日
2018年5月14日
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