ヘッジファンド I: 投資家たちの野望と興亡 (I)

  • 楽工社 (2012年2月1日発売)
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ヘッジファンドの95%はマイナスリターンである。残り5%は「More Money Than God」。

ヘッジファンドは盤石なスキームの上に成り立っているのではなく、運用者の強烈な個性に依存したスキームであることが分かる。ヘッジファンドの始祖であるA.W.ジョーンズ氏しかり、ソロス氏しかり、ロバートソン氏しかり、ロングとショートを駆使し、致命的な損失を抱えても挫けることなく鉄の精神で再度チャレンジしてヘッジもしない(笑)。

彼らの共通点は、市場の歪みや矛盾を深く洞察し、徹底してそこに賭けている。そして信念を曲げない。しかし誤りに気づけば即撤退する。本書の優れたところは、投資の定石を交えながら、そうしたポイントをうまく捉えて描いている点だ。彼らの思考回路をなぞっているような気さえ味わえる。

イングランド銀行vsクォンタムの章は特に興味深い。第2部も楽しみだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス/政治経済
感想投稿日 : 2013年3月5日
読了日 : 2013年3月6日
本棚登録日 : 2013年2月26日

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