いつの時代も、新しい潮流やイノベーション、パラダイムシフトを起こす原動力は、「ハイブリッド」である。
この本で述べられている、アメリカの新上流階級ボボズも同じだ。
WASPとカウンターカルチャーのハイブリッド、ブルジョアとボヘミアンのハイブリッドである。
人物像としてまず思いつくのは、スティーブ・ジョブズだろうか。マーク・ザッカーバーグなんかも、一見ボボズっぽいが、彼は非常にクリーンで精錬なイメージがあるから、むしろ古いタイプの上流階級なのかもしれない。
それにしても、この本が書かれたのはもう10年以上前。この本を読んだ後では、「精神的充足」「自己実現」「多様性」だのといった、いかにも「今の時代っぽい」表現は、かなり古臭く聴こえてしまうものである。
また、ボボズの潮流は1960年頃からだと書かれているから、40〜50年かけて時代の主流になったということなので、ひょっとするともう次の新しい人々が現れているのかもしれない。
次の時代を作るのは、ボボズと何のハイブリッドで、それはどんな人たちなのであろうか??
前述したように、「ハイブリッド」という多様性こそが世の中を変える原動力になると感じている。特に、ボボズのように、主流と反主流が(うまく)交わったときの力の大きさは、まさに破壊的イノベーションであろう。今の時代の何が主流で、何が反主流なのかを見極めることが、次の時代を読み解く視点のヒントと考えている。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
アメリカ
- 感想投稿日 : 2016年1月1日
- 読了日 : 2016年1月1日
- 本棚登録日 : 2015年12月30日
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