アメリカ新上流階級ボボズ: ニューリッチたちの優雅な生き方

  • 光文社 (2002年8月1日発売)
3.15
  • (0)
  • (6)
  • (12)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 101
感想 : 9
4

いつの時代も、新しい潮流やイノベーション、パラダイムシフトを起こす原動力は、「ハイブリッド」である。
この本で述べられている、アメリカの新上流階級ボボズも同じだ。
WASPとカウンターカルチャーのハイブリッド、ブルジョアとボヘミアンのハイブリッドである。
人物像としてまず思いつくのは、スティーブ・ジョブズだろうか。マーク・ザッカーバーグなんかも、一見ボボズっぽいが、彼は非常にクリーンで精錬なイメージがあるから、むしろ古いタイプの上流階級なのかもしれない。

それにしても、この本が書かれたのはもう10年以上前。この本を読んだ後では、「精神的充足」「自己実現」「多様性」だのといった、いかにも「今の時代っぽい」表現は、かなり古臭く聴こえてしまうものである。
また、ボボズの潮流は1960年頃からだと書かれているから、40〜50年かけて時代の主流になったということなので、ひょっとするともう次の新しい人々が現れているのかもしれない。
次の時代を作るのは、ボボズと何のハイブリッドで、それはどんな人たちなのであろうか??

前述したように、「ハイブリッド」という多様性こそが世の中を変える原動力になると感じている。特に、ボボズのように、主流と反主流が(うまく)交わったときの力の大きさは、まさに破壊的イノベーションであろう。今の時代の何が主流で、何が反主流なのかを見極めることが、次の時代を読み解く視点のヒントと考えている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: アメリカ
感想投稿日 : 2016年1月1日
読了日 : 2016年1月1日
本棚登録日 : 2015年12月30日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする