読書状況 読みたい
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読書状況 いま読んでる

「現実世界が物語の世界に呑まれる」「本が中核にある街」「読書嫌いの少女が物語の快楽を思い出す」「イマジナリーフレンドの具現化」「物語ることの意義、語り手の想い」など、一つ一つの要素は魅力的なのに、それらを結びつけているのが「毒親と化した偏屈稀覯本オタクの婆さんの勘違い」であるという事実に非常に腹が立つ。

その一方で、真白と深冬の関係性や冒険の楽しさに夢中になったし、真白や本の正体を予想しながら読みふけるのが楽しかった。

作中作は面白そうなものが多く、けっこう楽しめた。アクション要素も多いので、映像化したら映えるだろう。絵を想像する楽しみが大きい作品であるように思う。
しかし、ブック・カースにより、主人公たちが物語に介入するという構造上、どうしても語り方が中途半端にならざるを得ない。特に『さよならの値打ちもない』は最後どうなったのかが語られていない分、気になった。
作中作の要素を活かした構成にすることは難しいだろうが、もう一工夫ほしかったと感じる。

2022年7月16日

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読書状況 読み終わった [2022年7月1日]
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【これから読む人に】
・女性AIが主人公の一人称小説。大半が口語表現で、一文が長い。
・AIが人間社会になじんでいく様子を描いた日常コメディ。あまり大きな事件は起きない。
・起伏の激しい作品に疲れた時のお口直し/おかゆコンテンツとしても良いように思う。個人的には楽に読めた。ただし終盤少し波風が立つ。

【ここから本編の内容を含む感想】
・登場人物が個性的でありながら、クセやアクを感じないところが好き。「軽さ」と「含み」のバランスが心地よい。一人ひとりの背景事情に、いろいろと含みを持たせている。コミカルな日常会話の中でさらっと現れている。

・一見すると馴れ馴れしく軽率なのに、「ジョニーは戦争に行った」を持ち出して自分の揚げ足取りな性格を出してきたり、踏み込み過ぎたらバックステップで空気を戻すのが上手かったりする真理が好き。後半の洞察力も凄まじく、もうこの人だけで一本小説描けるのでは、という存在感。

・『そして、バトンは渡された』もそうだが、不定形な家族、血縁を超越した生活共同体というのが最近の流行りなんだろうか。

2021年11月28日

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読書状況 読み終わった [2021年11月29日]

妖怪の出自を掘り下げながら、ミステリー要素と歴史上の出来事を絡める手法は相変わらず。(ただ宮沢賢治?はちょっと強引)

無学なので分からないが、前提知識があれば推理できるように作られているのだろうか。

「迷家荘の平穏を破る者が現れる→事件を解決すると味方になる」という流れができていたので、これまでは話を追いやすかった。
迷家荘が大所帯になるにつれ、妖怪、陰陽師、神々を絡めた複雑な勢力図が明らかになってきた。
しかし、過去に描写された個々の妖怪同士の関係性を整理しきれていない。今後の展開によっては、理解が追い付かなくなる可能性があり、不安である。

迷家荘が持つ妖怪、神々、人間、あるいは他地域の妖怪同士のハブとしての役割が話の軸にある。
そのため話が複雑かつスケール大きめになっていくのはやむを得ない。ただ、どことなく日常パートが恋しく感じる。

その一方で、最近の巻には、タイムスクープハンターを見ているときと同じような楽しさがある。
供養額絵を始め、市井の人々の生活やスポットが当たりにくい歴史上の物事が垣間見える。次巻以降もどんな歴史上の要素が掘り下げられるのか楽しみ。

今までは問題解決以外の部分での和沙さんの絡みに限定されていたけど、正式な恋人となったことを活かした描写が増えていくのかな。急なラブコメ。

2022年2月19日

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読書状況 読み終わった [2022年2月19日]
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