読書状況 読み終わった [2020年6月27日]

文字通り"心理"戦だったなぁ...

奇譚について
いずれの奇譚も、「自分ではない自分、もう一人の自分」がテーマになっている。そして、いくつかは精神病・神経症・脳の障害、催眠術にも触れている。
第1:引き受けきれなかった仕事を脱稿した自分が分離
第2:夢の中限定でヒーローになった自分
第3:人形に操られる自分
第4:催眠術で植え付けられた自我
第5:夢(集合的無意識?)に追いやった欲望に忠実な自分
第6:教師からは見抜かれなかった自分だけが知っている自分
第7:ネット上で運命を演じる自分
第8・第9:臨床心理学から見たクライエント(来談者)

・第2の奇譚:確かに話としては薄っぺらいが、その理由が「主人公がヒーローとはどういうものかを理解していないから」であることを思うと、ヒーローらしいヒーローを考えるのって難しい。

・第3の奇譚:自我が芽生えた人形に妙な愛着を持ってしまって、友好的な関係を築けたら面白いかもという気持ちがホラーをちょっと上回った。言葉も通じそうだし。でもやっぱり、例え一時でも自由意思が奪われるというのは怖い。

・第5の奇譚:あちら側で欲望を満たしたら幸せなのかと疑問だけど、こちら側で互恵的なコミュニティに属せる幸せがあるからこそかもしれない。住み分けが面白い。そして、秘密を共有できて喜ぶピロの笑顔が悲しい。

・第6の奇譚:動機が気になる。

・第7の奇譚:自分たちが不本意な結婚によって生まれたこと(望まれてない子であること)を改めて突き付けられるわけで、遺産のためとはいえなかなかえぐい。



人格について
・人格の作られ方に、主人公の研究熱心さが感じられ、理解や経験の限界から来る個性も面白かった。

・女性アイドルの人格を生み出すために男性主人公がなりきっていることを考えると、アイドルはそういう意味でも異端な人格って感じある。

・人格というものをどう捉えるべきか。知識、経験、思考の器と考えたら分かりやすいだろうか。

構造について
・一人ひとり消えていく+犯人の頭の中で完結という点で辻村深月の『冷たい校舎の時は止まる』を連想した。あちらは外部から入り込んでいて一人ひとりの話が作り込まれていたが、こちらは人物描写が薄かったのは、一部のなりきりの経験しか受け継がない『別人格』だったからか

・吹き出しを用いた演出は、賛否が出やすいかもしれない。

2020年5月24日

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読書状況 読み終わった [2020年6月16日]
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名前探しの放課後を読む前に。


事件・能力・ふみちゃん
・何故これを題材にしようと思ったのだろう。

先生との対話
1日目
・協力はするが、参加はしない。→カウンセリングマインド
・能力の性質
・事件を消費するということ

この小説の読者も事件を消費することになるのだろうか。ワイドショーと変わらないのか。

2日目
・命の重みの違い(生類憐れみの令、ネズミ取りの見殺し、カラスの知能、月のウサギ
・力の使い方→反省を促す、自己満足→力=悪意と向き合う手段

3日目
・罰の種類と目的→仕返しか、反省・再犯防止か→「飛び抜けてひどい不幸に見舞われること」
・私刑・復讐→反省まで導くために、復讐相手に対する責任が必要⇔無関係でい続けないとできないこと、何もしないで忘れる努力・相手にしないこと、正面からの復讐=被害者に対する感情表現
・関わらず、すみわける→自分の心に恥じないものを持つ。→メジャースプーン:さじ加減。
・サンタクロースの存在を信じるか→思想信条の違い。

ふみちゃんの軸:
心変わりと折れることの違い。自分の中での正しいことを守りながら、相手のために負けてあげる正しさ。

4日目
・もしこの出来事が1日早かったら、言葉が定まる前であったなら、力を使うのをやめていただろうか
・もし力を使っていなかったら、トモは反省したか
・とっさに相手の価値観を考慮に入れた条件文を言える主人公の柔軟さ→伏線だった

5日目
・主人公の条件文は、反省の有無と人間以外の命に対する関心の有無を問うもの。
・先生の条件文は、自分の命に対する執着に基づく罰か、自分以外の他者や物の存在に対する執着に基づく罰

PTSDの治療法として、記憶の連合を解除すること ーウサギを見て事件を思い出すなら、ウサギと事件の結び付きを薄めて連想できないようにするー が研究されていると聞いたことがある。それって本当に正しいことなんだろうか。

利己的と利他的の境目、真心に由来する独善は捉えるのが難しい。

ふみちゃんを励ました時の条件文が太字になっていなかったのが気にかかっていたけど、やっぱりだった。

2020年1月25日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2020年6月26日]
読書状況 読み終わった [2019年12月2日]

1巻のプロローグ以降担当編集の進藤さん冷たい人という印象だったけど、7巻読むと印象変わる。
あえて俗っぽい文言で貶した上で、最後のチャンスを与えることで、主人公にしか書けない文章を書かせよう、作家としての主人公の個性を引き出させようという意図なのかなと思った。
この人いなかったら主人公迷家荘来てないので、影の立役者だったんだな...。

2019年12月7日

読書状況 読み終わった [2019年12月14日]
読書状況 いま読んでる

計画された青春と誰が死んでもおかしくない展開のギャップ。なんか、どうなるのか全く予測がつかない。

2019年12月31日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2020年6月26日]

穏やかで閉鎖的な母子家庭の日常に、タカユキとカイという非日常な二人がやってきて、現実世界と絵本の世界の両方で騒動を起こしていくけど、最後はあっさり解決して立ち去って、また元の日常に戻っていったという感じ。

前半は、タカユキによってもたらされた現実世界のどろどろした人間関係と、カイによってもたらされた絵本世界の侵食に、非日常と日常の境界がちょっとずつ崩されていく薄気味悪さをおぼえた。
後半は、絵本の世界で起こる謎がメイン。
これだけ騒いどいて現実世界に対するカバーストーリーもなく、現実世界の登場人物に影響や成長が明確には残らずあっさり終わったので、なんか拍子抜けした。
カイとは絵本を開けば会えるようになり、タカユキとは東京に行けば会える。事件を通じてクラスメートの事情を知る機会を得た。その意味で、事件の後に残ったものは、こうした人間関係のハブだけであると言える。それは、「今よりもうちょっと幸せ」になる入り口なのかもしれない。(裏表紙あらすじに対する個人的な答え)

しかし、見えないところで、気づかないところで、絵本の力による予定調和が引き起こされる、というのはけっこう怖い話のような気もする。また別の絵本から現実が侵攻される可能性も残されているように見える。

2019年9月25日

読書状況 読み終わった [2019年9月25日]
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