北の五稜星

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2011年12月21日発売)
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感想 : 10
4

初出の記載がないため書き下ろしか。

浦賀奉行所の与力から軍艦操練所の教授となり、咸臨丸でアメリカまで自力航海を果たした佐々倉桐太郎の息子である松太郎が主人公。

軍艦操練所で学び、肺病に罹った父に代わって軍艦組頭、海軍所頭取と若くして出世したが、幕府が戊辰戦争に敗れて、軍艦が薩長の官軍に接収されるのを嫌って、榎本武揚を中心に脱走艦隊を組んで蝦夷地へ向かい、浦賀与力の幼馴染の中島恒太郎、英次郎らとともに、彼らの父中島三郎助と隊長として開陽丸に江差の警備についていたが、嵐で座礁し、船を捨てて五稜郭に入る。

開陽丸を失った責任を感じる浦賀衆は、五稜郭を出て千代ケ丘の旧陣屋を台場にして守り、官軍の函館上陸を迎え撃って目覚ましい働きをし、松太郎は榎本の小姓として身近に仕えるようになった。
しかし、圧倒的な戦力の官軍の前に千代ケ丘は全滅し、包囲されて榎本が降伏を決断したことで、仲間のうちで松太郎だけが生き残ってしまった。

翌年赦免されて静岡に移った実家に行くと、父からは生き残ったことをなじられたためにそのまま立ち去り、東京で職を探すが脱走軍の生き残りには世間は冷たかった。
海軍兵学寮の権頭となった父の世話で兵学寮につとめて、20年が過ぎ、浦賀に中島三郎助の記念碑を建てるとともに、浦賀衆の夢だった造船所を浦賀に建設したが、51歳で病没する。
中島兄弟らと5人で戦死したら五稜郭のように5つの星となろうと語り合っていたことを死の床で夢見ながら。

植松三十里らしい良く資料を調べた骨太の構成だが、結末が夢で終わるのは少々不満。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 時代小説
感想投稿日 : 2012年2月23日
読了日 : 2012年2月22日
本棚登録日 : 2012年2月22日

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