決戦!忠臣蔵

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本棚登録 : 83
レビュー : 12
ひつじぐもさん 時代小説   読み終わった 

7人の人気作家による短編アンソロジー。
初出は2017年の「小説現代」早っ!(冥土の契りのみ書き下ろし)

葉室燐の「鬼の影」は内蔵助が堀部安兵衛を毒殺しようとする緊迫感を描くが、いつもの重厚さがない。
朝井まかての「妻の一分」は江戸弁を話す犬の視点で描かれる。
夢枕獏の「首無し幽霊」は、吉良上野介が、釣りの指南書に紹介されている釣り針の工夫者の名前の文字が原因で化けて出る異色の話。
長浦京の「冥土の契り」は赤穂藩から追放されていた武士が内匠頭の亡霊から腕を見込まれて契約し、討ち入りに参加するという怪異譚なのだが、亡霊に対する覚悟と緊迫感がなかなか読ませてくれる。「死ぬのが少しだけ楽しみになった。」という独白は面白い。
梶よう子の「雪の橋」は、上野介を「赤馬の殿様」と親しんで呼ぶ吉良家の知行地で士分に取り立てられた清水一学の恋と忠義の話。
諸田玲子の「与五郎の妻」は、津山藩の改易で赤穂藩に再仕官した神崎与五郎が、討入り前に改易で離別した妻に会う話。さすが諸田玲子、泣かされる。
山本一力の「笹の雪」は、宿毛歴史館に伝わる大高源吾らの辞世の句が、当時泉岳寺で義士の世話をした雲水によってもたらされたという意外な実話を踏まえていておもしろい。

レビュー投稿日
2017年5月22日
読了日
2017年7月2日
本棚登録日
2017年5月22日
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