葉桜の日 (新潮文庫 さ 27-2)

著者 :
  • 新潮社 (1993年10月1日発売)
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本棚登録 : 440
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桜が散る頃になると、どうしてもこの小説のことを思い出してしまう。(鷺沢 萠さんが35歳で自殺してしまって、もうこの世にいないからかもしれないけれど・・・)

上智大学の学生だったころに「少年たちの終わらない夜」でデビュー。「帰れぬ人びと」「海の鳥・空の魚」「スタイリッシュ・キッズ」と続けて出版した後の、「葉桜の日」。これらのタイトルをみただけでも、いかに言葉のセンスのある人かわかりますでしょ?

「葉桜の日」には、「葉桜の日」のほかに、三島賞候補になった「果実の舟を川に流して」が入っています。この2作品の共通点は"親のいない"19、20歳の少年の眼を通して、普通の日本人やらサラリーマンには縁のない世界(もしかしたら底辺といってよいのかも)が描かれていること。

本作品以外で、泉鏡花賞受賞のほか、芥川賞候補に4度、野間文芸新人賞候補2度、なるほどの実力。

「果実の舟を川に流して」は彼女の最高傑作という人もいるほどの作品です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 家・庭・育
感想投稿日 : 2010年4月15日
読了日 : 2010年4月15日
本棚登録日 : 2010年4月15日

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