桜が散る頃になると、どうしてもこの小説のことを思い出してしまう。(鷺沢 萠さんが35歳で自殺してしまって、もうこの世にいないからかもしれないけれど・・・)
上智大学の学生だったころに「少年たちの終わらない夜」でデビュー。「帰れぬ人びと」「海の鳥・空の魚」「スタイリッシュ・キッズ」と続けて出版した後の、「葉桜の日」。これらのタイトルをみただけでも、いかに言葉のセンスのある人かわかりますでしょ?
「葉桜の日」には、「葉桜の日」のほかに、三島賞候補になった「果実の舟を川に流して」が入っています。この2作品の共通点は"親のいない"19、20歳の少年の眼を通して、普通の日本人やらサラリーマンには縁のない世界(もしかしたら底辺といってよいのかも)が描かれていること。
本作品以外で、泉鏡花賞受賞のほか、芥川賞候補に4度、野間文芸新人賞候補2度、なるほどの実力。
「果実の舟を川に流して」は彼女の最高傑作という人もいるほどの作品です。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
家・庭・育
- 感想投稿日 : 2010年4月15日
- 読了日 : 2010年4月15日
- 本棚登録日 : 2010年4月15日
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