新版 デジタルアーキビスト入門:デジタルアーカイブの基礎

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レビュー : 5
制作 : 岐阜女子大学デジタルアーカイブ研究所 
狐舞さん  未設定  読み終わった 

 デジタルアーカイブの概要と課題についてざっくりと解説している。よくまとまっているのだが、いくつか漏れていると感じた観点もあった。例えば、エロや犯罪、その他アーキビスト個人の思想に合わない事象を除外するなどの恣意的な収集の禁止である。それがどんなに気に入らない事象であっても、その当時、流行ったのであれば文化的な価値は認められるわけであるが、それを除外するのでは果たして文化の記録といえるのか、ということである。また、ディジタルデータ、特にWebサイトは失われやすいという観点である。

 ディジタルデータは一見すると永久に残るように思われるし、流出した個人情報などはWWW上のどこかにいまだに留まっているのも事実であるが、記録メディアの障害やサーバレンタルサービスの終了、あるいはWebサイト運営者の都合による終了などで二度と閲覧できなくなることもまた事実である。サービスの終了で記憶に新しいのはジオシティーズのサービス終了だろうか。これにより多くのWebサイトが失われてしまった。これもどこまで保存するべきか議論が必要であるが、wwwブームとともに訪れた個人サイトブームという文化を記録するのであれば、その一例として保存が必要であろう。公開するかは別として、失われる前に集められるだけ集めてしまってもよいかもしれない。
 少々物足りない点もあったが、デジタルアーカイブとは何か、という点についてはよくまとまっているので、十分に認知されているとはいいがたいデジタルアーカイブの認知を広め、また、情報を収集されるということの理解を得るためにも、高校の「情報」に章を一つ割くぐらいの分量で取り入れるべきだと思う。

レビュー投稿日
2019年6月30日
読了日
2019年6月30日
本棚登録日
2019年6月30日
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