「おーい!この本、最高に面白いぞー!」と
叫びたくなるほどの、本!
20編をおさめた短編集
「乗換え」
高等小学校の生徒監督の仕事につき、
勤務地へ向かう電車に乗っている青年
その車両で出会った見た目はエレガント、
自称(?)陸軍大佐の男に、
目的地を変え、自分と一緒にニースへ
行かないかと誘われ…
その人の意のままにそわないと言う理由で、
恐ろしいほど傷つけられる、
気付かずにいたけれど、
なんだか自分がちっぽけな話のわからぬろくでなしであったか?
と思わされる、ということは
よく、とは言わないがたまにある。
「視学局」
これは「乗換え」の青年パスカル君がなんとかニース男を
振り切って、着任したお話。
校長の留守中に突然学区長が現れ、
留守番をしていたパスカル君は…
その他、
少年をだしにするお父さんに笑ってしまった「プラリーヌ」
会えなくなって、時間がたてばたつほど、
その人が好きだったということがしみじみわかってくる…、「ベルト」
出張の折り、昔愛した人の面影を探す…、「ウィーン」
変てこな犬を飼う、超変てこな人との交流、「アルルカンの誘拐」
「ノルマンディー」、他人に理想をみてしまう主人公、
なんだか身につまされてしまったなあ。
「フラゴナールの婚約者」
別れた妻の、妹。
かわいかった彼女は旦那に銃で頭を撃たれ、言葉を発せなくなっていて…
二人はたまに会い、史蹟めぐりをする…。
知らなかったなあ、ロジェ・グルニエ、素晴らしい。
山田稔さんの訳も上手い、と言う気がする
(フランス語、わからないけれど)
知らなかったから、まだまだ読んでないグルニエ作品がある、
と言うのが、なんとも嬉しい!
- 感想投稿日 : 2012年2月4日
- 読了日 : 2012年2月4日
- 本棚登録日 : 2012年1月22日
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