「アジア式(中国式)教育」(詰め込みスパルタ教育、大人が子供を主導、ときには厳しく叱る)
VS
「西欧風教育」(子どもの人権・自主性尊重、のんびり、叱らない)
という対立軸で教育を考えることは、私の子供のインターナショナルスクール選び・受験を考えるときにめちゃくちゃ参考になった。アジア人には理数系で優秀な人が多いと思うけれど、大局観やリーダーシップにおいては欧米系の教育のほうが優れていると思ったりするので、いい落としどころがあればいいのだけれど、と思う。

タイガーマザーという単語はよく聞くのだけれど元ネタをよく知らなかったので読んでみた。

まともに聞いたらいけないって意味では有害図書なのだけれど、すごく面白くて線を引きたくなる部分がたくさんあった。

日本式の教育もこの中国式教育とかなり似ているところもあるだろう。

「自分のエゴなんかじゃなく、100%自分の娘のために厳しい教育をやっている」っていう言葉が印象的だった。

あとは「一族の繁栄」のために教育をやっているという視点がすっぽり私の子育ての感覚からは抜け落ちていて、ほんと日本人って底が浅くなっちゃったのかなと思った。

「謙虚でありなさいと母親に言われたけれど、(やみくもに誰にでも謙遜するという意味ではなくて)それは母親が自分を一流の人間になると信じているから。一流の人間になれという意味と一緒」とか。

深読みすると、ストーリーとして面白いので、もしかしたら、著者が少し自分のキャラを極端に厳しく、誇張して書いている部分も少しはあるのかなあ?と思った。その意味でもあまり真に受けないほうがいい本なのかもしれない。

あとやっぱり家事とかは外注してたのかな?とか、教育に一生懸命な印象だけれどなにを食べさせているのかとか食事については一切言及がなかったなとか、細かい点で気になるところもあったので。

2025年4月12日

2冊目を読んでみた。この著者の本には中毒性を感じている。まるで子育てを武道みたいにやってる人だと思う。ブレない信念やばすぎる。自分が実践するとかじゃなくてこの著者のコンテンツ性が高くて読んでいて面白い。

2025年3月28日

著者は長年の教育現場で打たれ弱い若者に困らされてきたのだろう、たんなる愚痴なのでは?と思う所も多かったけれど、それが逆にエッセイ風読み物っぽくなっていて趣きがある一冊だと思った。

日本風の親子の絆が、言葉ではないところにあるというところに改めて共感した。
言葉ではっきり「好き」とか「愛してるよ」と言ってくれなかったけれど、両親が私を深く愛してくれた、という自信みたいなものは私にもある。
というか日本人の愛の伝え方ムズイ。

母的な包み込む愛と、父的な厳しい愛のバランスを保っていたいけれど難しそうだと思った。

子供との関係や夫婦の関係においては、「言葉なんて重要じゃない」と思うこともあれば、「言葉が重要だ」と思うこともあり、どちらも正しいのだと思われた。

教育や子育ての本、正しいことは分かっているんだけれど、状況により見極めがわからないな。
見極めの判断はどうやったらつくんだろうな。

2025年3月24日

母としてやるべきことをきちんとやっていて、正しいことをやっている人なので、よんでいて多少モヤっとしたところはあったけど、著者のことを批判するのはなかなか難しいと思った。
著者の時代とは違って、今のお母さんたちはこれやりながらお金も稼いでこないといけないのがツライよね。

英語圏にいる中華圏や韓国などの教育ママたちがよく「タイガーマザー」なんてよばれているけれど、著者はまさに日本のやりかた版タイガーマザー、って思った。中華圏のママみたいに「オール5以外は認めませんッ」みたいなハッキリとはいわない京都風みたいな感じがいかにも日本女性だよなとか思ったり。やり方が日本的なところが面白い。

2025年3月10日

女ならではの理不尽や苦労みたいなものに、現代を生きる女性が読んでも共感する。
現代では、そういった女の苦労はかなり解決されているけれども、だからこそその問題は丁寧に隠されているようにも見えるから、著者の作品を読むことで自分の女性性や女の身体について考えさせられることが多い。
というわけで著者の作品が大好きなのだけれど、どの本も正直同じような内容だなって思う。なのについつい読んでしまう。。。
なろう小説とか、演歌とか、Bzの音楽のように、定型があり、そのため安定して読めてしまう。感動どころも似たような感じなのにいつも感動してしまう。

2025年3月9日

有名な文学の一説を引用しつつ、それについて著者が星占いの考えを使って解釈をしている本。
著者の文章力と想像力がすごいなって思った。著者のことを全く知らなかったのだけれどこんな人いるんだすごいって思いました。
全体的には、あくまで著者の考えであってちょっとこじつけっぽくない?とは思った。部分部分の文章はハッとさせられるところもあり面白かった。あと私は星占いを全然知らないので、やっぱり世界観の理解が難しかった。
ただロマンチックな世界観が満載なので、なにか創作をするときとか、企画とかでアイデア出しする前にこれを読むとなんだか自分の想像力が豊かになれるような気がした。
(読む前は、有名な文学の中で星占いが登場するシーンを紹介している本なのだと思っていたが、違った)

2025年2月4日

現代社会の人々の心象を表すとまさにこんな感じでは。何かの賞をとったりできそう。私も同世代なので読んでいて胃がキリキリした。
読みやすく、小説というよりかはドキュメンタリーというかジャーナリズムというかそんな気もした。
著者が巧みなせいで、わざわざ現実で悩んでいることを、どうして時間をかけてまで小説の中でいわれなきゃいけないんだろう、という理不尽さも感じた。
物語としての起承転結によるハラハラどきどきとか、夢のような世界にいけるといった楽しさがあるわけではない。現実は悲しすぎるので、どうせ小説という虚構を読むならば、タワマンバトル漫画みたいなありえなくてもコミカルで笑わせてくれる物語も読みたいかもしれないと思った。

2025年1月26日

エッセイは読んだことがあり、好きでした。この小説はなんとも形容しがたいです。一言でいうなら「大学生の頃小説を書いてみたかったけど、結局数行しか書けず自分の才能のなさを嘆いた、もし完結できていたらきっとこんな感じに違いない、でもこんな感じになるんだったら別に書けなくてもよかったわ」って元文学少年・文学少女に思わせてくれるような感想です。
東京タワーとお話してみたり、突然戦争がはじまるなど、中二病が全開です。
主人公や周囲の人間関係の行動の動機はすべて意味不明なので、あまり深く考察する意義はないと思われます。動機不明の筋書きに今風の箴言がたくさん詰まっている感じ。最後のおわりで「セカイ系」な感じ、ラノベっぽいのかなとも思った。
でも、私は最後まで読めました。最後まで読めたのは面白かったからだと思う。大学生のころの頭でっかちな自分を思い出しました。この観念的、夢想的な世界観は、おそらく大学生の頃によんだら共感できたかもしれないと思います。とにかくこれを書き切るのがすごいなあと。意味不明は意味不明だし中二は笑ってしまうのだけどね。著者が今後どういう作品を描くか期待します。

2025年1月20日

「40過ぎ」なんてタイトルにあるにもかかわらず、子供の世話や老親介護などの話がほぼなくて、恋愛セックスの話ばかりしていて、かなり予想外だった。

でもそこには、私に「いい年した大人のくせに恋愛セックスばっかりしてるやつなんか子供」みたいな価値観があるからだと思う。

恋愛って子供じみたもの、そういう価値観が私にある。年取っていつの間にかそうなってしまった。
なぜ、私はそう思ったのだろう、と思った。

子供の面倒みて、親の面倒みて、夫のケアもして、家のことやって、働いて、くたびれて、、、それでもまだ、綺麗でいよう、と思わせてくれる本や映画ってなかなかないものだな。いや、それこそが結局リアル恋愛なのか。

2024年12月14日

つかみの冒頭ページが面白かった。
つまりは、パリジェンヌとは、ワガママなメンヘラ女なのか…!?
こんな人々が本当にパリに存在するのかはわからない。
でもフィクションとして面白い。

私は昔アメリカにいたころ、NYCの地下鉄でベビーカーをひいたママが人込みの中を「どけよゴラ」的な態度で悠然と歩いていたのでびっくりしたのを覚えている。私なら、「すみません!」ってかんじで低姿勢で回りに謝り倒しながら歩くと思う。私はそのママの態度にすごく憧れた。あの憧れに近い。

私(というかきっと大和撫子、日本女性)はいつも低姿勢な態度で生きることが身に染みてしまっているから、きっとこういう本を読んでスカッとするんだろうなと思った。

10年前なら真に受けていたけど、今はそこまで影響されなくなってしまった。そういえばそれぐらいの頃、フランス人の本ってはやったよね。この本がそのはしりだったのかしら。

2024年12月1日

桐野先生のファンで、「グロテスク」「ダーク」ぐらいまでは読んでいたか。
久しぶりに読みました。
VERY連載なのであまりキレキレにはできなかったんだろーなー。という感想。
こまごまとした小道具に今っぽさはあるものの、全体的に今時こういう人いるかなぁ?という現実感のなさ。
登場人物サイドにまったく共感できず、むしろ敵役っぽいボスママや主人公夫のほうがかわいそう・・・と思ってしまった。

ありえないだろ!とか思う設定があっても、面白ければいいんだけれど、ぜんぜん面白くなくて。。

がっかりだった。

2024年12月3日

何も知らずに読んだのに面白かった。出たのが1995年で、もっと前に書かれたのをまとめたのだというのに古さを感じなかった。性愛は社会の外側。

2024年11月11日

面白く読めた。当たり前だしどこかで聞いた話、といえばそうなんだけどやっぱり改めて読書するとそうだよね、と思うし日々の生活や人間関係の中でも敏感になれるからよい。

2024年11月9日

この社会の真実が正しく書いてあるとおもった。

でも。「贈与」を自分の信念として熱っぽく語り、ビジネスの世界で成功をおさめる起業家を見ると、「贈与」っぽさをいかにうまく魅せて資本主義システムの中で金儲けするか、みたいなことも可能なわけでというか実際にそうなってるわけで。
だから真実は存在するものとして信じるけれど、真実を熱めに語る人にはちょっと警戒してしまう。この本も含めて。

と言う意味で、「真実を胸に秘めて行動している人」こそが、正しい人の在り方なのかしらと思うのだけれど、それこそ「贈与」が気づきにくくなる理由の一つでもあるのかもしらず、その辺りは本書に的確な指摘があるなと思った。

紹介されている映画やマンガや本が面白そうで読みたいと思った。という意味では、なんだかカルチャー評論みたいなものを読んでいる気にもなった。

2024年11月8日

面白かった。
東京って、格差があるのに、見えにくいと思う。中国とか韓国とか、他のアジア諸国と比較しても。お金持ちも庶民もユニクロきてるし、お金持ちがお金持ちっぽい姿をしていないと思う。その描写がリアルだなと思った。

しいていうなら後半にかけて物語としてうまくまとまりすぎてるという私のいつものいちゃもんだけど、王道小説として当然の結末かと思う。
まああとは、女の生き方がデフォルメされすぎているかな?被害者意識すごくない?そんな生きづらいかな?と思うのと(でも10年前の小説だから仕方ないかな)、男の言い分もあるよね?とは思う。

2024年9月30日

装丁がすごくイイ。あやしさ満点。

内容は恋愛本というよりはスピリチュアルセックスとは何か?どう実践するか?みたいな内容で、表紙の印象とはうらはらに、私のようなくたびれた中年にも参考になるちょっとした知恵が詰められた内容。
浮気のボーダーラインの図表がなかなか刺さった。

個人的には、セックスにそこまで「深い意味」を持たせなくてもよくないか?とは思ったけれども。愛だの、そういうの。そのへんはほんとに個人の価値観なのよね。

2024年11月8日

ここ最近読んだ本のなかではめちゃくちゃ面白かった。
男らしさ、女らしさから解放されて自分そのものになってセックスしてみたいものだなあ、とマジメに思わされた。

2024年9月11日

よかった。
「うまくいかない人生だけどそれもまたいいよね」っていう感じがいい。
恋愛小説でときどき「小説としてまとめあげなくてはならない」がゆえにすごいうまい作文みたいになってるのを時々読むのだけれど、この本は短編というのもあるけど、余韻がすごくよい。

2024年9月2日

独身の時読んでたジェーンスーさんは刺さったのだけれど、既婚子ありになってからあまり刺さらなくなってしまった。でもきっとまた子供が大きくなったら再び刺さるのかなあとか思ったりする。

私はジェーンスーさんより少し下の世代だから、彼女たちよりは不平等が解消されている世の中を過ごしているからあまり怒りにピンとこないというのもある。

『誰かのために生きるというのは簡単だし、世間体もたつし楽』というどこかの一文が、ほんとにそうだよなあ、と思った。罠だよなあ、と思う。夫と子供と親の世話にかまけていれば、いちおう毎日は過ごせるけど、自分の課題には向き合えない。ジェーンスーさんがいろんなとこで言ってるように、自分のやりたかった欲望って何歳になっても追いかけてくるよね、と思う。

いっぽうで、この著者らのように子供や家庭というものをつくらなかった生き方もなかなかキツイんだろうなと思う。
大声では言えないけれど、個人的には子供や家庭を作ったほうが幸せだと思う。
わたしに娘がいたら、この本を読ませたいかと思うと微妙だ。

2024年8月28日

独身の頃、ちょうど私は仕事をはじめたばかりで多感な時期でもあり、著者の作品が好きでお守りのようにしていたし全作品を読んでいた。2016年に亡くなられたときはとてもショックで泣いた。
その後私は結婚して子供を持った。自覚はないけど、著者のいう「愛を与える」ことに忙しくなった。両親がいかに自分に与えていたのかも思い知った。するとあんなに感動していたはずの著者の作品に共感することが難しくなっていた。

私のような平凡人間は、「そこ」にとどまらないのだと思う。
非凡な人は、ある年齢でしか感じられない「そこ」にとどまって、深堀りして、傷ついて、なにかを作る。
著者は私のような気づけない人間に真実を伝えていた、そしてその真実を表現するということには代償が伴ったのかもしれない。

この本が出ているのを見て懐かしくなり久しぶりに著者の本を読んだけれど、正直若いころのような感動はない、でも、この人の本を読んでいなければ、愛を与えることについてここまで自覚的な自分にはなれていなかったと思う。だから若いころに著者の本に没頭できたという経験が、現在の私を強くしているのだと思う。私を強くした代わりに著者は代償を払ってしまったのかもしれないと思うと悲しくなる。

恋愛に悩んで、結婚相手をさがしているくだりで、『ただ永遠の恋愛をしていたい』っていう、、、こんなにも正直に言える人いる?って思った。そんなもんないだろって頭でおもっちゃうから私は言えない。そして今は結婚して長いからそんなものがないってハッキリとわかってしまえて。でも。ああ。この純度の高さよ。

『本当なら自分で考え、自分でしなくてはならないことを、雨宮さんに代わりにさせてしまったように、後めたく感じることがあります。』
元担当編集者さんの言葉が一番心に刺さった。

亡くなられた理由、その当時はぼかされていて読者としてはヤキモキしたけれど、この本を読んで、ああ、きっとこういう感じなのかな、と推測はついた。それで、安心することができた。だから、その1点だけでもこの本を読んで本当によかった。

2024年8月21日

とってもよかった。
男のほうの目線で語られるから、男性の気持ちがよくわかった。見栄を張ったり、いつまでも頼られたい生き物なんだなあとか思った。
いっぽうで女性のほうはもっと頼って生きればよくね?とか私は思ってしまいいまいち共感できなかった。ああいう厳しい立場に置かれてああいう家庭環境で育ったらそうなってしまうのかもだけど。

2024年8月19日

評価が高いので手に取った。私の好みではなかった。以下ネタバレになるけど

・キャラの過去の重さに比べて、どこかコミカルな雰囲気がちぐはぐ。私は過去の重さに心をひきずられてしまい、どこかストーリーに入り込めない
・オチは、すごい構成だとは思うけど、がっかりしてしまった。あの敵役の怖さもすごみも全部演技だったのか…あの恐ろしい感じは彼らの実体験から醸成されたものではないのかと思うととてもがっかり。
・読んだ後、「ウソをよまされていた」と感じ、時間の無駄に感じてしまった。でもそもそも小説って、ウソを読まされているわけだよね、とは思うんだけど。

2024年8月5日

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