夜想曲集:音楽と夕暮れをめぐる五つの物語

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本棚登録 : 626
レビュー : 96
制作 : 土屋政雄 
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切なくもどこかロマンチックな香り漂う5つの小話。「音楽と夕暮れをめぐる5つの物語」という副題にあるように、どの小話も音楽が物語を彩り、黄昏時のような切なさが漂っている。ある人生のある一部分を切り取ったような物語ゆえ、解りやすいようなオチや教訓などは用意されていない。作中で表された苦味、焦り、高揚感、戸惑いは、人生の中でだれもがどこかで感じたことのあるような感情。だから懐かしいノスタルジックな気持ちになるのかもしれない。【以下ネタバレ含むため未読の方はご注意】「老歌手」ベネチアの広場でバンド演奏をしている流しのギターリストが、憧れの大物歌手と出会い、あるサプライズへの協力を依頼される。だが妻に歌を送るというロマンチックな計画に反して、夫の表情は暗い。夫婦の愛の終わらせ方に苦味を感じる。「降っても晴れても」ロンドンに住む20年来の友人夫婦の危機に接することになった、フリーターの中年男性の戸惑い。いまひとつ面白みが解らなかった。「モールバンヒルズ」イギリスの片田舎のカフェを手伝う学生ミュージシャンの青年と、カフェを訪れた音楽家夫婦とのふれあい。傍目には仲良く見える夫婦だが楽天家の夫と神経質な妻の観点の違いは妙に現実味を帯びている。「夜想曲」天才的な中年サックス奏者が心機一転、整形手術を受ける。偶然隣部屋になった女性芸能人と関わることになるドタバタ。どこかで目にした名前だと思ったら1話目の登場人物が再登場している。初めとキャラが若干違う気もするが…。「チェリスト」若きチェリストが音楽の大家の個人レッスンを受ける奇妙な話。素直な青年が女性の手ほどきを受け影響されていく変化が綴られている。なんとも微妙な味わいだ。

レビュー投稿日
2009年9月25日
読了日
2009年9月25日
本棚登録日
2009年9月25日
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