あらくれ (岩波文庫)

  • 岩波書店 (1972年9月16日発売)
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本棚登録 : 75
感想 : 8

生い立ちからして理不尽なのに、めそめそしないヒロインお島はこの時代には珍しいタイプだ。新聞小説という媒体で読者の興味を惹き続けるためだろうか、短いスパンで展開が変わり場面が変わる。親子の軋轢、男女の諍い、金銭問題などを描き、お島が山間の温泉地へ行けば旅の気分を、洋装して自転車に乗れば最先端の流行を、読者は感じることができただろうし、当時開催された博覧会の話題にも触れたりして、これは現在でいう、テレビワイドショーを見るみたいな楽しみ方ができるな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 「た行」
感想投稿日 : 2022年11月1日
読了日 : 2022年10月31日
本棚登録日 : 2015年12月27日

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