われ反抗す、ゆえにわれら在り――カミュ『ペスト』を読む (岩波ブックレット)

著者 :
  • 岩波書店 (2014年6月5日発売)
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感想 : 4
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1949年著の「ペスト」が、今、実に現代性を備えている。東日本大震災、エボラ熱災害、戦争下の悲惨な事態が起こっており、その中での人間性の追究した作品は、今世界で起こっている現実かも知れない。前半は「ペスト」の紹介。リウー、タル-、パヌルー神父、ランベールなど主要人物の生き方は現在の人たちと重なる。1940年代の北アフリカを舞台とし、虚構の世界であることが、思想的な書物としての完成度を高めているように思う。「この世の不条理、神の沈黙」を認めるのかというテーマは「カラマーゾフ」と同じだ。その中で不可知論者であるリウーの使命感・行動力がどこから出てくるのか。その解題に興味を惹かれる。後半ではボンヘッファー牧師の実に魅力的な言葉が引用されている。「神はすべてのものから、最悪のものからさえも、善きものを生まれさせることができ、またそれを望まれるということを私は信じる。そのため神は、すべてのことを自らにとって益となるように役立たせる人間を必要とされる。」神の存在を巡って立場を異にする立場のカミュとボンヘッファーの中に「行動=抵抗」という共通点があることを著者は示している。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 思想・哲学
感想投稿日 : 2014年8月31日
読了日 : 2014年8月30日
本棚登録日 : 2014年8月29日

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