百代の過客―日記にみる日本人 (上) (朝日選書 259)

  • 朝日新聞社 (1984年1月1日発売)
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感想 : 7
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まずキーン氏の日本文学への造詣の深さに脱帽です。日本人でも存在さえ全く知らない平安・鎌倉時代の日記まで、よく読んでいるものだと思います。面白かったのはあの十六夜日記の強面のイメージしかない、阿佛尼の若い頃の恋の日記「うたたね」、俊成の娘(定家の姉)健御前の日記「たまきはる」など。平安・鎌倉時代の自由な恋愛感情、女心、それが今と全く同じだということに安心のようなものを感じました。芭蕉が日光で詠んだ「あらたふと青葉若葉の日の光」は実は雨の日だったという真実が、むしろ芸術性を高めている?それから冒頭に出てくる、なぜ日本人は日記を書きたがるか?太平洋戦争の頃の日米の軍人の日記の有無の比較は面白かったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本の古典
感想投稿日 : 2013年8月25日
読了日 : 2000年8月12日
本棚登録日 : 2013年8月25日

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