昭和天皇(上)

  • 講談社 (2002年7月31日発売)
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今まで聞いてきた昭和天皇は平和を望んだが、軍部に押し流されてしまった、「飾り物」であったという私たちの常識を覆す、戦争に積極的で感情を露わにしながら戦争に突き進む原動力となったその姿、戦争責任を明確に描く。祖父・明治大帝を模範と仰ぎ、父・大正天皇を無視したともいえる幼少期からの歩み。そして秩父宮、高松宮、三笠宮たち弟への「君主」としての一線を画する態度。権力を把握していく課程、その中で天皇が役割を果たしていた部分は極めて多いという。中国戦線で残虐行為が行われていたことも知り尽くしていた!?著者は米国人でありながら日本の豊富な文献をもとに書いた圧倒的な質・量の本です。著者が一橋大学院で教鞭を執っていたという事も頷けます。どちらかというと影の薄かった昭和天皇よりもこの姿の方が分かりやすいように思います。いろいろな意味で日本人には絶対に書けないのかも知れません。著者が問題提起をしてくれていることに感謝です。イラク戦争終結により戦争責任に関心が高まる中、非常に興味深く読みました。下巻では戦争終結から戦後の天皇に迫るのが楽しみです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史小説
感想投稿日 : 2013年8月24日
読了日 : 2003年4月9日
本棚登録日 : 2013年8月24日

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