女たちの遠い夏 (ちくま文庫)

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本棚登録 : 77
レビュー : 11
制作 : Kazuo Ishiguro  小野寺 健 
koochannさん 小説   読み終わった 

『遠い山なみの光』の改名後の邦題で一度読んだ本。戦後まもなくの長崎を舞台に語り手の悦子が不思議な母娘である佐知子・真理子との接点で語られる。悦子がその後、英国へ渡り、長女景子を自死で喪い、次女ニキに見守られる中で過去を思い出す形で話が進んでいく。悦子・佐知子の会話が中心となり、真理子の未来を暗示しているようなエピソードが、悦子自身の人生と重ね合わされる。佐知子が長崎を離れるに際して、子猫を水死させる場面が淡々と描かれている。著者が日本語をほとんど話せなくなっている英国人であるが、時空を超えた不思議に静謐な世界を描いているように感じる。それは能面を描いたこの本の表紙のイメージそのものである。

レビュー投稿日
2018年8月20日
読了日
2018年8月19日
本棚登録日
2018年8月17日
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