混浴と日本史

  • 筑摩書房 (2013年7月1日発売)
本で見る
3.20
  • (2)
  • (4)
  • (6)
  • (1)
  • (2)
本棚登録 : 114
感想 : 13

混浴がこのように学問研究の対象になるとは!!古代の風土記の時代の混浴と歌垣に始まり、奈良、平安、鎌倉、江戸時代と当時の文書から日本における混浴がふつうであったことを裏付ける。江戸時代の丹前風呂で知られた絶世の美女・勝山の故事が「丹前」「勝山髷」。寛政の改革以降、相次いで混浴を禁止令を次々に出したが民衆が従わなかった!など明治初期まで残り、外国人にとっては日本の混浴が大きな関心事になり、破廉恥な劣等民族であるとの軽蔑的な評価から、米国の女性地理学者エリザ・シドモアの「大衆は子供のように天真爛漫で、妥当な新しい道徳通念を持っている」という好意的評価まで面白い。明治政府が躍起になって禁止していたものが、画学生の「日本婦人の醜い裸体蔑視」が混浴を避ける傾向になっていったという著者の説明は皮肉な話である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本史
感想投稿日 : 2014年2月17日
読了日 : 2014年2月16日
本棚登録日 : 2014年2月15日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする