書に関する子ども時代から現代に至るまでの著者のエピソードの数々。後半は圧倒的に山本周五郎の短編の紹介であり、著者が周五郎全集4巻の解説を記載したという説明もあったが、著者はかなり周五郎に入れ込んでいるように思った。時代物であるが故の旧さを感じさせないこと、そこはかとなく哀しみを抱えたストーリー、共通して登場する理想的な女性像など、その魅力が十分に語られる。黒澤明監督もかなり映画化したし、「その木戸を通って」「雨あがる」なども脚本を書いていたという説明が良く分かる。ハリーポッターの日本語訳出版逸話、モハメド・アリ(キャシアス・クレイ)の一生の説明、マリリン・モンローとビリーワイルダー監督の交流話の紹介も該当書は良く分からなくとも愉しい。笑福亭鶴瓶、桂南光、桂文珍との古本屋・読書を通じての交流も興味深く、落語家は読書家が多いのだと納得した。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2024年2月2日
- 読了日 : 2024年2月2日
- 本棚登録日 : 2024年2月2日
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