青木雄二のナニワ資本論 (朝日文庫 あ 29-1)

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2001年6月1日発売)
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 『ナニワ金融道』の作者青木雄二氏の連載エッセイを文庫化。
 『ナニワ金融道』は読んだことはないものの、ゼニの話ばかりで、作者はよっぽど業が深いのかと思っていたが、一面的な見方であった。青木氏は数十もの職を転々とし、四十代になってやっと『ナニワ金融道』で金持ちとなった。自らを浪速のネオマルキシストと称し、朝日毎日読売産経日経と赤旗を毎日熟読し、えげつない資本主義にたちむかうためには唯物主義哲学を学ばなければならないと主張している。資本主義を批判して自宅前に「共産主義者青木」と右翼の街宣をかけられたこともあるという。
 資本主義の弊害を身を以て実感した青木氏の語ることは重い。しかしときにはユーモアをまじえている。当事者のみのもちうる力強さである。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2012年11月15日
読了日 : 2012年11月15日
本棚登録日 : 2012年11月11日

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