空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2012年9月20日発売)
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感想 : 17
4

ツアンポー川はチベット高原を横断し、インドへ流れ込む、長さ2900キロに及ぶアジア有数の大河。この川の9月の平均水量は4000トン。激流として有名なコロラド川2倍。この川がヒマラヤを刻み、作り出しているのがツアンポー峡谷。
そこには、「空白の5マイル」と呼ばれる未踏の地が存在する。
この地球上に「空白」があるということだけでもワクワクする。本書はこの5マイルに命を賭けて挑む著者渾身の探検記。

本の構成としては、著者自身の探検とツアンポー峡谷の探検史を交互に展開させている。巻末には参考文献として、多くの書名が並び、探検史だけでも、一流。これにより、ツアンポー峡谷の素性を読者は把握でき、「空白の5マイル」にまつわる魅力を知ることができる。

十数メートルの滑落、新しい洞窟の発見、大雪の中でのビバーク、1日の摂取カロリーを1000キロカロリーと決めても減ってゆく食料、ダニの攻撃、死への恐怖が、朝日新聞元記者の非凡な筆力で綴られてゆく。
面白いノンフィクションではあるが、著者のかっこよすぎる表現が少々肌に合わず、★4つとした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 旅行
感想投稿日 : 2014年9月20日
読了日 : 2014年9月20日
本棚登録日 : 2014年9月20日

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