24人のビリー・ミリガン〈上〉 (ダニエル・キイス文庫)

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本棚登録 : 1607
レビュー : 149
制作 : Daniel Keyes  堀内 静子 
koro77さん ドラマ   読み終わった 

24人が一人の頭の中に同居するというのはどういうことだろう?それを考えると、人間の自我と脳の関係はますます不思議に思える。自我が魂だとしたら、24分割された魂になるということか?ところが、人格は全てビリーの想像力が生み出したもので、当然一人に統合することが可能である。となると、人間の自我とかいうもの自体、そもそも脳が作り出している錯覚に過ぎないのではという疑問も湧いてくる。

もう一つ興味深いことがある。ビリーの支配的な権限を持つ人格アーサーが作った規則により、各人格は時間を浪費せず、専門能力の向上に使うことが推奨された。結果的に、各人格が先天的に持つ肉体的・精神的特徴もあわせて、信じられないほど多彩な能力を持つ人間が生まれることになった。しかし、それらを統合したあとのビリーは一人の天才であると言えるだろうか?

普通の人間がペルソナを使い分ける以上のレベルで周囲に適応出来る点で、分離状態にあるビリーは超人的と言える。この驚異的な体験記を読むと、健全な範囲で心をコントロールする術が必要な人にも、意識的に複数の自分を持つという考え方は応用できるのではないかと感じさせられる。

レビュー投稿日
2013年7月24日
読了日
2013年7月24日
本棚登録日
2013年7月24日
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