カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)

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本棚登録 : 4344
レビュー : 362
制作 : 亀山 郁夫 
koro77さん ドラマ   読み終わった 

読め始めた時の印象は、荒唐無稽で突拍子もない台詞を言い出す登場人物に唖然とさせられ、意味を理解しかねる部分が多かったが、これが序盤の「場違いな会合」が終わるあたりから、物語の全貌が明らかになるにつれて急速に面白くなっていった。そこからは、エピローグまで息つく間もなく読みきってしまった。

もし読むのを挫折する部分があるとしたら、1巻のそのあたりまでだが、それも読み返す折になると、全て意味のある重要なシーンとして楽しめるので、初見ではサラッと流しながら読み進めるのがいいのかもしれない。

ただ残念なのは、この作品に続編があり、その「第二の小説」こそ重要なものになると小説の序文で予告までしておきながら、ついに執筆されなかったことだ。
これほど魅力的な主人公が生み出されながら、彼らのその後が描かれないことが非常に悔やまれる。登場人物に対する諸所のほのめかしも後半は解決されずに終わることで消化不良を感じてしまった。

しかし、未完の大作だとしても、カラマーゾフの兄弟の多面的な面白みは唯一無二で、読み込むほど深みが増す暗示に満ちた文章といい、繰り返し読むに値する傑作なのは疑う余地もない。

レビュー投稿日
2012年2月17日
読了日
2012年2月17日
本棚登録日
2012年2月17日
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