北斎まんだら

著者 :
  • 講談社 (2017年2月28日発売)
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本棚登録 : 116
感想 : 20
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北斎の娘、応為は火事を見るとジッとしてはいられない江戸っ子だ。そこには秘めた情熱が隠されていた。北斎に心酔し、北斎の求めに応じて絵を描くことで満足だという応為。枕絵を描くことも厭わない。三九郎は、応為自身の絵を描いてもらいたいと思っている。絵師の善次郎(渓斎英泉)もそう思っている。男女の仲は腐れ縁だが、応為は全て絵のためと言い切る。
悪童、重太郎が現れると、物語に影がさす。重太郎が描いたという北斎の贋作が後半の事件。北斎の怪人ぶりが面白かった。北斎に弟子入りした小布施の高井三九郎(鴻山)のおかげで難を逃れる。
女としての応為を描いたことが、のちの応為自身の作につながっていくように思えた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説・浮き世から離れて
感想投稿日 : 2017年8月17日
読了日 : 2017年8月15日
本棚登録日 : 2017年8月17日

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