池澤夏樹さんの小説を何冊か読んできたが、このエッセイで初めて人となりを知ることができた。
帯広生まれで、2009年から札幌に住み、2022年からは長野へ移住しているし、沖縄に住んでいたこともある。
「土地というものが好きである。旅行でもいいけれど(中略)住み着いて言葉を覚え、食べ物を知り、歩き回り、人の気性を学ぶ。そういうことが面白くて仕方がない。だから転居が一生を棒に振ってもいいほどの道楽になる」(251頁)
ということらしい。
読んでいて嬉しかったのは、坂本直行さんや、その息子さんの本のことなどが出てくるし、サハリンや北方民族、「ジャッカ・ドフニ」のことなど、私が興味を持っていたことについて書かれたものがあったこと。北海道にいた頃の「道楽」から生まれた文章ばかり。
この本がきっかけで、「静かな大地」を読むことになった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
池澤夏樹
- 感想投稿日 : 2024年6月30日
- 読了日 : 2024年6月25日
- 本棚登録日 : 2024年6月25日
みんなの感想をみる