ああ斧のようにあなたを抱きたいよ 夕焼け、盲、ひかりを搔いて
遠景、とここを呼ぶたび罅割れる言葉の崖を這うかたつむり
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観念が物質感を持ち、逆に物体が抽象に昇華されて息をし始めるような印象をうけた。モチーフ同士の共有するイメージを掴んでそういった矛盾を違和感なく使いこなしてる感じが凄い
丁寧でキレイだった第一歌集に比べて、一首単位での横の広がりと、読者の連想を促すような深みが増してるように感じた。
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灯台のような裸、とおもったが春はそれさえ連れ去ってゆく
詩のように瞳はそこへ向かうのだ そこには誰もいなくていいのだ
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"対象との距離"を、淡白に客観視するのではなく、惜しむように、美化する。それがキレイなほどむしろ寂しいです
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年3月15日
- 読了日 : 2022年3月15日
- 本棚登録日 : 2022年3月15日
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