本屋さんのダイアナ

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本棚登録 : 3863
レビュー : 557
著者 :
koshoujiさん 柚木 麻子   読み終わった 

ダイアナ、しかもそれが漢字の“大穴”なんて名前をつけられたら、どんな気持ちになるだろう。
僕なら、とても学校に行けない。
小学校の一学期から、もう登校拒否だ。

競馬好きの父親がラッキーな娘になるようにとつけられた名前。
人前で呼ばれるたび、恥ずかしさが募る。
それでも、めげずにダイアナは強く生きる。
そんなダイアナを何故か眩しく見つめる彩子。
お金持ちで何の不自由もなく育った彼女なのに、箱入り娘の状態が不満で、正反対の環境のダイアナに秘かに憧れていたのだ。
二人の交流は順調に続くが、小学校卒業前の出来事をきっかけに喧嘩をし、ダイアナは公立に、彩子は私立の名門お嬢様中学に進学し離れ離れになることもあって、二人は10年以上も会わないようになる。
その後ダイアナは、キャバ嬢をしながら育ててくれた母親ティアラの少女時代の秘密を知ることになる。

二人の少女が全く違った環境でそれぞれ葛藤し、紆余曲折の道を歩みながら成長していく姿が心に響く。
特に、ダイアナの奔放で、かと思えば堅実で、ひた向きな姿に感動を覚える。

彩子のほうは、大学生になると。10年ほど前に社会事件にもなった大学サークル「スーフリ」を思い起こさせる出来事に遭遇して悩む。

二人の成長の対比の仕方やエピソードが絶妙で、どんどん話に引き込まれていく。
所々に張られた伏線が後半に回収されていく様も見事で、読んでいて爽快感がある。
最近の柚木さん、作品の構成やキャラ立てが一段と上手くなり、やはり一皮も二皮もむけた。
直木賞も遠くないだろう。

実に面白い小説でまさに一気読みでした。
次作にも期待だ。

レビュー投稿日
2014年5月24日
読了日
2014年5月12日
本棚登録日
2014年5月12日
10
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