旅猫リポート

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本棚登録 : 8129
レビュー : 1376
著者 :
koshoujiさん 有川 浩   読み終わった 

有川浩という作家は、女心をよく分かってる人なんだ。
“女性が選ぶ、好きな女性作家第1位”に選ばれた人だけに、女性のハートを鷲掴みするなんてのは、けっこう簡単なことなのかな。
世の中、あまねく男は犬派が多いと思うのだけれど、女性は圧倒的に猫派が多い。
ぼくのまわりの女性も、猫を見ると「わあ、かわいい」と無闇にはしゃぎたがる。
ぼくに言わせれば、猫のあの警戒心満々の鋭い眼差しは、なにを考えてるのか想像できなくて、怖いところがありありなのだけど、女性はそんなことお構いなしらしい。
猫に比べると、犬ってやつは正直すぎるほどの眼差しを向けてご主人様になついてくる。
それも、嬉しいときは尻尾をぶるんぶるん振ったりして、なんとも単純なのだ。
「女心は複雑なのよ」とノタマウ女性たちがミステリアスな部分を秘めた猫に魅かれ、単細胞だらけの男どもは馬鹿がつくほど真正直な犬に魅力を感じるという図式なのかな。
かと言って、ぼくが猫を嫌いかと訊かれればそういうわけでもない。
あの、触った時のふさふさとした毛触りは、何物にも代えがたい気持ちよさがあるし、ミャーオという鳴き声もかなり男心をくすぐるところがあるのは否定しないよ。
でも、やっぱり男のぼくとしては単純な犬の方が好きなんだ。

さてさて、このお話は、女性から支持されるナンバーワン作家有川浩の面目躍如という作品だ。
悲劇的な生い立ちの男の子サトルと彼に拾われた野良猫ナナとの物語。
一人と一匹の間には熱い友情が芽生えるのだけど、理由あって手放すことを余儀なくされ、新しい飼い主を探してサトルとナナは日本中を旅することになる。
その理由とは何かって? これがまたとっても悲しい理由なんだ。
かわいらしい猫と悲しい運命を持った少年のストーリー。
それを猫のナナの目線でもって、愛するご主人サトルとの旅についてリポートするんだ。
出てくるサトルの友人たちもみんな本当にいい奴ばかり。
コースケも、ヨシミネも、スギとチカコも、それぞれ違う年代で友達になった奴らなんだけど、誰もが優しい。
サトルとだけ接点を持っていた彼らが、最後に集まってみんなが友達になるとこなんて身体が震えたよ。
猫と少年と友情、こう来たら、もうお涙頂戴の鉄板作品でしょう、女性にとっては。
男のぼくだって、ところどころで涙と鼻水が零れ落ちてきて困ってしまったのだから。
女性が読んだら、もうティッシュペーパーなしには最後まで読みきれないんじゃないかな?

内容についてはネタバレになっちゃうから詳しくは書かないけれど、猫好き女性にはたまらない感動作品であること間違いなし。太鼓判押してもいいぐらい。
有川浩さんが女性に人気がある理由をまざまざと教えられた気がしたな。

有川ファン、猫好きの女性に一刻も早く読むのをお薦めしたい本だよ。
図書館の予約待ちもすごいだろうなと思って調べたら、ぼくの街の図書館では10冊在荷で217人待ちだ。
11月15日の発刊日から約一ヶ月経ったからそんなものかな。まだまだ増えそうだけど。
ちなみに駅前の本屋さんに、何故かサイン本が山積みしてあった。有川さん、こっちに来たのだろうか?
1470円のサイン本、いっそのこと保存版として買っちゃおうかと、犬好きのぼくでも悩むぐらい、良い本だ。

レビュー投稿日
2012年12月13日
読了日
2012年12月11日
本棚登録日
2012年12月7日
17
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『旅猫リポート』のレビューへのコメント

miyabijudiceさん (2012年12月13日)

長文レビューお疲れ様でした(*゚▽゚)ノ。
そして花丸&フォローありがとうございました。

ブクログって個人的にメッセ送れる機能がないのでここに書かせていただきます。

大人になって花丸もらうことって、なかなかありませんよね。だから単純に嬉しいです。
ヤタ━━━━━━ヽ(゚`∀´゚)ノウヒョ ━━━━━━!!!っとテンションが上がります。

そしてこの「猫旅レポート」も私の読みたい本リストに入ってまして…。
しかも、ナニナニ有川ファン、猫好きの女性に読んでもらいたいって!私のことじゃないですか!
リア猫3匹かっておりますので。しかも全部♀。
猫の魅力を語り出すと、こんな狭い欄ではとても足りませんので省きますが、とても魅力的です。

ティッシュを用意して読ませていただきます。

どうぞこれからもよろしくお願いいたします。
よろしく(^ー゚)ノ

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