読み始め一見ありきたりな戦争文学だと思ったが、静かで丁寧な筆致、主人公である少女のイノセントな感性に段々心を動かされた。
戦時下という特殊な環境でしか育まれないであろう妻子持ちの隣人市毛との関係、大人と子供で絶望的に乖離している孤独や恐怖、読みどころは沢山あり満足できた。
シームレスに入る回想で少し迷子になるが、読後感も素晴らしい納得の谷崎賞受賞作。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年12月30日
- 読了日 : 2023年12月30日
- 本棚登録日 : 2022年12月25日
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