([は]1-2)東京 Hayashi Mariko Coll (ポプラ文庫 は 1-2 Hayashi Mariko Collecti)

著者 :
  • ポプラ社 (2008年12月5日発売)
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感想 : 26
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東京についての林真理子作品集     

以上。

としても良いのが、もう少し。東京に日本の1/10位の人が集まり、どんぐりの背比べをしているので、ストレスもあるし、劣等感も優越感もそこかしこに転がっているわけだが、四半世紀以上、ここに住む者としては、頼むから東京を大切にしようよ、と言いたい。

あっ、そんなことは作品とはあまり関係無い。

別々の短編集から、東京に纏わる四作品を収めた短編集。短編集から更に集めただけあって佳作。

後書きに、最近の地方の若者は「いとも気軽に東京にやってくる」とあり、益々、Love Tokyoと言いたくなった。勝手に「嘲笑われ、裏切られ」る地方出身者という、林真理子お得意の女性が登場する。東京人対地方出身者という構図自体が、おそらく東京生まれ東京育ちにはてんで可笑しくて、狭い場所で競争してるから窮屈な思いをお互いしているのだろう、満員電車のように、と思う。勝手に「嘲笑われ、裏切られ」る地方出身者というのは主観的に無くならないのだろうな。

劣等感が人を謙虚にさせる、との下りは、少し怖い思いで、読んだが、今のところは、解釈しないでおく。

解説の柴門ふみについては、夫婦共々見る価値が年々薄れているような気がしたが、やはり、と一言で終わらせておきたい。比べるのも何だが、林真理子は本物だな、と。

東京に劣等感を持ったらどうぞ。生まれも育ちも23区でも、劣等感は人生の伴侶だったりするのだが。

2010/05/25、読了。文京図書館から借用。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2010年5月25日
読了日 : 2010年5月25日
本棚登録日 : 2010年5月25日

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