心理の旅へのパスポート!
本書が、心理学の旅へのパスポートでした。
私は心理学に興味をひかれ、最終的には50冊の関連書籍に触れた人間です。しかし、意外に「初めの一冊」として手ごろなものが見つからず、しばらくさまよったのが思い出されます。
一般向けの心理学本は、書店に行けば困惑するほど大量に並んでいます。読めば人の心理を操れるだの、相手の心を支配してYESと言わせるだの、俗物め。そんな変態の本を読んだところで、心理学に詳しくなれそうな気が全くしません★
心理学入門の本もいくつも出ていますが、著者が自分の好きな部分だけ紹介するような、つまみ食いの本が多いです。とは言うものの、いきなり学術書というのも理解できそうになく……
そんなある日、視界に入ってきたのが『心理学のすべてがわかる本』。やっと、心理学という学問のすがたが、水平線の向こうから近づいてきたのでした★
本書では、以下の知識が確実に得られます。
心理学の歴史。そもそも、いつ誰が始めた分野なのか。
心理学は科学的と言えるのか、信憑性はいかほどのものか?
現代では「○○心理学」「△△心理学」「□□心理学」等と枝分かれが進んでしまい、初心者にはとらえどころがありません。本書は、その系譜、代表的な提唱者、実施された心理実験などを、一通り解説してくれるのもありがたい点です。
さすが学研! ちなみに、同シリーズ(著者名が「科学雑学研究倶楽部」と記されている)の『量子論のすべてがわかる本』にもお世話になりました。
「興味を持った分野があるんだけど難しそう。何かとっかかりが欲しい」というときにぴったりです。パスポートが手に入って、いよいよ旅立つぞ! と気持ちが盛り上がるようなもの☆ 一度こういった本に目をくぐらせると、その後はライトな読み物も「これもアリか」と楽しめたり、あるいは専門書にも「大変そうだけどトライしよう」と思ったりするのです。
- 感想投稿日 : 2023年4月20日
- 読了日 : 2023年4月20日
- 本棚登録日 : 2023年4月20日
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