雪のひとひら

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本棚登録 : 120
レビュー : 27
制作 : Paul Gallico  矢川 澄子 
木谷りこ★さん フィクション   読み終わった 

シンプルなひとひらの物語の中に、選びぬかれた、純度の高い言葉たちが集まって結晶化しました。とてもとても美しい寓話です。
雪のひとひらは、白くかぼそく、はかなげなイメージを抱かせます。彼女は流れる運命のままに生きて、死んでいくしかありません。だけど、その時起きる出来事に対して、必死に、積極的に、受け身をとり続けているのだと思います。長いこと受け身をとり続けているうちに、次第に体は痛み出し、彼女は蝕まれていきます。出来事を受け入れ続けるということは、消耗すること。でも、そうやって一生に起きることのすべてをその身に引き受け続け、やがて消えてゆくひとひらをあたたかく見つめている、つつみこむように優しいギャリコの視線を感じます。

レビュー投稿日
2009年9月1日
読了日
2009年9月1日
本棚登録日
2009年9月1日
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