猫語の教科書 (ちくま文庫)

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本棚登録 : 1949
レビュー : 281
制作 : Paul Gallico  灰島 かり 
木谷りこ★さん はっぴゃくじ@Review Japan掲載書評   読み終わった 

 表紙をご覧いただきたい。被写体がタイプライターに愛らしい手(前足)をかけた写真を☆ ちょっとさわってみただけにしては、随分しっかりした手つき(足つき)ではないでしょうか。その角度、その体勢、また、耳の向きなどから、知的好奇心がにじみ出ているように思えてならないのです。
 出版側の都合上、著者はポール・ギャリコ名義になっているけれど、これは猫ちゃんがタイプライターで打ったものに決まっているじゃないですか!

 ああ、文字を読むことのできる世界中の猫たちに、この優れた教科書を読む機会を与えられたら。暗号を解読し、出版に尽力したポール・ギャリコ氏に、心から感謝したい。しかし、印税は猫に支払っていただきたい! 缶詰がいいかにゃ?

 猫たちよ。『猫語の教科書』は、人間のしつけに最適の一冊です。講師が自らの経験から、猫生来の魅力を最大限発揮して人間をとりこにし、飼い主をうま~くしつけることこそ、快適ライフを手に入れるための第一歩であると述べています。
 その目的を果たすために、しばしば用いられるのが「乗っ取る」という表現です。家を、椅子を、ベッドを、どんどん乗っ取る! 獣医だって、上手に利用するというのです。
 また、猫の心意気の一種が、食い意地。ここで意地をはることは、恥ではないのです。食は文化だ★
 猫は、おいしい食事をすることを決してあきらめない動物なのです。素敵なおすそわけを頂くための方法も、この一冊でまるわかりです!

 野性の生活で培ってきた本能は、簡単に薄れるものではありません。「どんな天気だって外に出る権利があります」は、猫としての誇りを感じさせる、頼もしくも気高きひとことと言っていいでしょう。(室内飼いに関する、人間にとっての正論は、ひとまずここでは置いておくとして……★)

 人間がこれを読んで幻滅するかって? 答えは猫が一番よく知っているはず。あり得ませんね。

レビュー投稿日
2016年3月5日
読了日
-
本棚登録日
2003年8月28日
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