星やどりの声 (角川文庫)

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本棚登録 : 1629
レビュー : 160
著者 :
kotaroさん  未設定  読み終わった 

《quotation》

「だってビーフシチュー、おごってくれるって言いましたよね。お父さんもそんなに好きだったんなら、どれだけおいしいのか楽しみ。約束守ってくださいね」
「理由それかよ!」
親指で涙を拭ってぐるりと振り返ると、あおいは楽しそうに笑った。
「先生のお父さんだって、スーツ似合ってなかったですよ。リフォームが完成したときに一回だけ着てきたの、私、覚えてます。びっくりしたんです。似合ってなくて。」
だから大丈夫ですよ、と言って網戸を開けたあおいは、「風つよーい」と黒髪を揺らした。
開けられた窓から吹き込んで来た海風が、涙の跡の上を撫でていく。細い冷たさだけが光彦の頬の上をもう一度伝っていった。

レビュー投稿日
2019年6月24日
読了日
2017年10月6日
本棚登録日
2017年2月20日
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