鐘園学院へ赴任した迎三千世。そこは教師の事故やいわくつきの伝説が残る学院だった。池で溺れた生徒を助けた時、池に沈んでいるはずの鐘が鳴り響く。彼女は過去と現在が交錯する事件へと巻き込まれていく。
PS2のゲームソフト『月の光~沈める鐘の殺人~』の原作小説。ゲームを当時にプレーしたことがあって、懐かしく思い返しながら読んだ。伝説が残る寄宿制の女学院を舞台に繰り広げられるミステリーということで雰囲気はたっぷり。ただ、物語は軽やかに進んでいきサクサク読めるエンタメ。メインの殺人における登場人物のやり取りは切なくなるものがあるよね。後半はバタバタと終わってしまって、もう少し長く読みたかったかなと。
あと、生徒を風呂で殺しかける同僚教師とか、事件現場に立ち会ったのに警察へ連絡をせずに甘味処に入ったり、いやいやそれはないだろ!と思わずツッコミを入れたくなる展開も。登場人物がみんな極端すぎるというか、突っ走りすぎで怖い。ラストシーンは一見すると美しいんだけど、いやそこまでする必要あった?と疑問を感じる。まあ、事件は狂気を持つ人間が起こすものだからこんなものなのかなあ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2021年2月11日
- 読了日 : 2021年2月11日
- 本棚登録日 : 2021年2月11日
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