黄金の指紋 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2022年7月21日発売)
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本棚登録 : 70
感想 : 4
3

「君に預けておく。これを金田一耕助という人に渡してくれ……」
難破船の漂流者が邦雄少年に託した黒い箱。中には黄金の燭台が!その燭台を守るために奮闘する邦雄と金田一の冒険劇!

乱歩の少年探偵団シリーズのような読み味のジュブナイルシリーズ。こちらの怪盗・怪獣男爵は容赦なく人を殺す恐ろしい怪物!さらに黄金の燭台やそれに関わる少女・小夜子を狙う者たちが入り乱れる大事件に。場面が二転三転していくスピード感はまさに冒険小説という仕上がりになっている。

ひょんなことから事件の中心人物になった邦雄。彼の度胸こそまさに小林少年を彷彿とさせる。そこに変装術と推理によって敵を翻弄する金田一の活躍が楽しい。金田一と怪獣男爵の一進一退の攻防!「なぜ助かったのかは後で説明しよう」が何回も続くから、気になる!って乗せられてしまった(笑)

ミステリというよりは探偵活劇なので、謎を解くよりもその場の展開に身を任せる楽しさがある。ただ、やっぱり乱歩の方が一枚上手だなと。金田一でやったらどうなるか?!っていう部分を楽しみに読むのがちょうどいいかも。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2022年7月27日
読了日 : 2022年7月27日
本棚登録日 : 2022年7月27日

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