チョコレートの町

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本棚登録 : 380
レビュー : 75
著者 :
小凛さん 2017   読み終わった 

不動産会社の店舗の店長をしている『遼』は、とあるトラブルの為、突然実家の町の支店に応援に行くことになった。そこは田園が広がる、大きなチョコレート工場がある田舎の町だった。
この町に合わず高校卒業と同時に離れ東京に出た。一年半ぶりに降り立ったこの町は、相変わらず甘い匂いに包まれていた。


常にチョコレートの匂いが漂う町。確かに食事中もその匂いを嗅ぐのは、毎日チョコを食べる私でもキツイかも。
許せないってほど嫌じゃないけれど細かいことが一々引っかかる、そんなことの積み重なり。それが身内なら尚更嫌気がさしてしまう。何となく疎遠になる町、家族。
久しぶりに戻った町で人に接している内に、別の角度から見ることが出来たり、初めは早く東京に戻りたかったのに自分の居場所は無いようで、そんなときにここで必要とされていて気持ちが揺らいだり…でもやっぱり相容れないところもあって。そんなぐらぐらと揺れる気持ちがよく分かった。繊細な心理描写とポジティブな作風とあったけど、まさにその通り。
登場人物もみな温かみがあって憎めない人ばかり。特に『吉村さん』は進行には直接関係はないけれど、主人公の気持ちを整理するポジションで、良いスパイスのように彼が出てくるとピリリと締まる。主人公が「気を許せる相手」と言ってもらえたときは、こっちも嬉しくなったくらい。
ただ一点引っかかったのが、中年(?)女性にに対する視線が厳しすぎやしませんか。四十台半ばの赤チェックのエプロン駄目ですか?

レビュー投稿日
2017年9月22日
読了日
2017年9月22日
本棚登録日
2017年9月22日
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